日本の頂点をかけて争われる第78回全日本総合バドミントン選手権（東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ）。大会4日目は、各種目の準々決勝が行なわれた。ここでは、男子ダブルスのダイジェストを紹介する。
【男子ダブルス】
パリ五輪出場の保木卓朗／小林優吾（トナミ運輸）が欠場する中、唯一のA代表が三橋健也／岡村洋輝（BIPROGY）。B代表復帰をめざす武井優太／遠藤彩斗（NTT東日本）に、2−0で勝利を収めた。得意の速い展開で挑んでくる武井／遠藤に対し、序盤はリードを許すも点差を離されずついていく三橋／岡村。中盤で追いつき、終盤で逆転して第1ゲームを奪った。
第2ゲームに入ると、三橋が後ろから打ち込み、岡村が冷静に仕留めるカタチが目立つように。フィジカルに勝る三橋／岡村の力強いプレーに押され、武井／遠藤にミスが目立つようになる。さらに、三橋／岡村は、攻撃だけでなくレシーブも鉄壁。ネット前からのプッシュも返し、あいたスペースにふわっと落とす巧さも披露して会場を沸かせた。武井／遠藤は、岡村にとって埼玉栄高の後輩。先輩の貫禄を見せつけるプレーで大差をつけたA代表ペアが、ベスト4入りを決めた。
三橋／岡村と準決勝で対戦するのは、B代表の霜上雄一（上写真・右）／野村拓海（日立情報通信エンジニアリング）。S/Jリーグでしのぎを削る相澤桃李／佐野大輔（ジェイテクトStingers）との、ファイナルゲーム、83分に及ぶ激闘を制した。昨年はベスト8に入り、B代表に選出された霜上／野村。まずは、現A代表に挑んで結果を残し、再び代表の座をつかみたいところだ。
この日、最後の試合となったのが、熊谷翔／西大輝（BIPROGY／龍谷大）と、B代表の柴田一樹／山田尚輝（NTT東日本）との対戦。熊谷と山田が左利きという左右ペア対決を、熊谷／西が2−0で制した。ともに高い攻撃力を誇るが、混合ダブルスB代表の西のスピードとカバー力、鋭いショットは出色。柴田／山田の攻撃を速いタッチでさばき、攻撃へと転じて点を奪う展開は見事だった。柴田／山田は得意のロングレシーブで対応しながら、柴田が後衛、山田が前衛という形で点が取れず、苦しい戦いとなった。大学生の西は混合ダブルスでもベスト4入りと、今大会絶好調だ。
準決勝で熊谷／西と対戦するのは、山下恭平（上写真・右）／緑川大輝（NTT東日本）。混合ダブルスで実績を残す二人が、男子ダブルスでの代表入りをめざしてペアを組んでいる。準々決勝では、スピードが武器の小野寺雅之／谷岡大后（BIPROGY）にストレート勝利。混合ダブルスで鍛えたカバー力とレシーブ力をベースに、速いタッチのプレーでも点が取れるのが強みだ。混合ダブルスA代表の緑川は、2種目で準決勝進出。安定した力を発揮して存在感を放っている。
準々決勝の結果と準決勝の組み合わせは、以下の通り。
▼準々決勝(12月28日)
三橋健也／岡村洋輝（BIPROGY）②〔21−19、21−12〕０●武井優太／遠藤彩斗（NTT東日本）
霜上雄一／野村拓海（日立情報通信エンジニアリング）②〔21−18、26−28、21−19〕１●相澤桃李／佐野大輔（ジェイテクトStingers）
山下恭平／緑川大輝（NTT東日本）②〔21−17、21−16〕０●小野寺雅之／谷岡大后（BIPROGY）
熊谷翔／西大輝（BIPROGY／龍谷大）②〔21−17、21−15〕０●柴田一樹／山田尚輝（NTT東日本）
▼準決勝（12月29日）
三橋健也／岡村洋輝 − 霜上雄一／野村拓海
山下恭平／緑川大輝 − 熊谷翔／西大輝
取材／バドミントン・マガジン編集部、吉井信行、平野貴也
写真／井出秀人
