日本の頂点をかけて争われる第78回全日本総合バドミントン選手権(東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)。大会4日目は、各種目の準々決勝が行なわれた。ここでは、女子シングルスのダイジェストを紹介する。
【女子シングルス】
試合前、第2シードの奥原希望(太陽ホールディングス)が、左ふくらはぎの違和感により準々決勝を棄権。郡司莉子(再春館製薬所)が戦わずしてベスト4進出を決めた。
総合優勝の実績があるベテランの棄権で、混沌とする女子シングルス。そんな中、優勝候補の一角である宮崎友花(柳井商工高)は、日本代表対決となった髙橋明日香(ヨネックス)との戦いを2-0で勝利。第1ゲームは宮崎が16オールの接戦から先に抜け出すと、第2ゲームは「(相手の)速い球やクロスが多いところは意識して対策ができた」(宮崎)と14-9で大きくリード。しかし、ここからねばり強さを発揮する髙橋が、18-17まで接近して宮崎にプレッシャーをかける。経験豊富な相手とのファイナルゲームは避けたい宮崎は、終盤の競り合いをなんとか振り切り21-19で勝利。難敵を下し、準々決勝を突破した。
前回大会で初優勝を飾った杉山薫(BIPROGY)は、日本代表の仁平菜月(ヨネックス/上写真)と激突。連覇に向けて大きな山場となったが、第1ゲームは序盤から杉山の失点が続き8-21で先制を許す。一方、「1ゲーム目はコントロールしやすい方だったので、思いきってロブやクリアーを使えた」と軽快な動きを見せた仁平は、第2ゲームを16-21で杉山に奪われたものの、最終ゲームは8-9から3連続得点でリード。その後もペースを落とさず積極的に仕掛けた仁平が、最後は21-15で勝利。杉山の連覇を阻止して準決勝に勝ち進んだ。
もう一つの準決勝は、明地陽菜(再春館製薬所)が、広島ガスの近藤七帆を11本、13本に抑えてベスト4入り。準決勝は、明地と仁平、宮崎と郡司が決勝進出をかけて激突する。
準々決勝の結果、準決勝の対戦カードは以下の通り。
▼準々決勝(12月28日)
明地陽菜(再春館製薬所)②〔21−11、21−13〕0●近藤七帆(広島ガス)
仁平菜月(ヨネックス)②〔21−8、16−21、21−15〕1●杉山薫(BIPROGY)
宮崎友花(柳井商工高)②〔21−17、21−19〕0●髙橋明日香(ヨネックス)
郡司莉子(再春館製薬所)◯〔棄権〕●奥原希望(太陽ホールディングス)
▼準決勝(12月29日)
明地陽菜 − 仁平菜月
宮崎友花 − 郡司莉子
取材/バドミントン・マガジン編集部、吉井信行、平野貴也
写真/井出秀人