日本の頂点をかけて争われる第78回全日本総合バドミントン選手権(東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)。大会3日目は、各種目の2回戦と女子シングルスの3回戦が行なわれた。ここでは、男子シングルスのダイジェストを紹介する。
【男子シングルス】
上位候補が順当に1回戦を突破した男子シングルス。初優勝をねらうトップシードの奈良岡功大(NTT東日本/上写真)と、前回大会準優勝の渡邉航貴(BIPROGY)は、ともにインカレ優勝の実績がある大学生相手に2-0で勝利。奈良岡は今年のインカレで優勝を果たした増本康祐(法政大)にペースを握らせず、9本、10本で快勝。渡邉は昨年のインカレで優勝した藤原睦月(明治大)に対して第1ゲーム、19-12から20オールに持ち込まれてしまったが、ここをなんとか23-21で制すと、続く第2ゲームは13本に抑えて準々決勝に勝ち進んだ。
日本A代表の奈良岡、渡邉が勝ち進む中、第3シードの西本拳太(ジェイテクト)はまさかの2回戦敗退。パリ五輪に出場した格上の西本を下したのは、武井凜生(NTT東日本/上写真)。武井は第1ゲームを17-21で落としたものの、第2ゲームは15-18から23-21で逆転に成功する。これで勢いに乗ると、「ファイナルゲームは相手がスピードを上げ直してくるかもと準備をしていたので、序盤にリードができた」と、前半に10-5と先行。そのまま西本の追走を振り切った武井が21-16で勝利し、ベスト8入りを決めている。
第4シードの田中湧士(NTT東日本)が、2022年のインカレ王者である宮下怜(明治大)とのファイナル勝負に競り勝ち、準々決勝へ。BIPROGYの期待の若手、沖本優大は、元日本代表の常山幹太(トナミ運輸)との接戦に勝利。2回戦で難敵を下した沖本は、「目標はベスト8ではなくて、どんどん上にいくこと。これで満足せずに次も頑張りたい」と、次戦への意気込みを語っている。このほか、日本代表の小川翔悟(ジェイテクト)、大林拓真、秦野陸(ともにトナミ運輸)もベスト8に勝ち進んだ。
2回戦の結果は以下の通り。
▼2回戦
奈良岡功大(NTT東日本)②〔21−9、21−10〕0●増本康祐(法政大)
小川翔悟(ジェイテクトStingers)②〔21−10、21−16〕0●古賀穂(NTT東日本)
沖本優大(BIPROGY)②〔21−19、16−21、21−9〕1●常山幹太(トナミ運輸)
田中湧士(NTT東日本)②〔16−21、21−13、21−14〕1●宮下怜(明治大)
武井凜生(NTT東日本)②〔17−21、23−21、21−16〕1●西本拳太(ジェイテクトStingers)
秦野陸(トナミ運輸)②〔12−21、21−16、21−19〕1●高橋洸士(トナミ運輸)
大林拓真(トナミ運輸)②〔13−21、21−15、21−11〕1●川本拓真(BIPROGY)
渡邉航貴(BIPROGY)②〔23−21、21−13〕0●藤原睦月(明治大)
▼準々決勝
奈良岡功大 − 小川翔悟
沖本優大 − 田中湧士
武井凜生 − 秦野陸
大林拓真 − 渡邉航貴
取材/バドミントン・マガジン編集部、吉井信行、平野貴也
写真/井出秀人