日本の頂点をかけて争われる第78回全日本総合バドミントン選手権(東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)。大会2日目は、各種目の1回戦(女子シングルスは36ドローのため、2回戦まで)が行なわれた。ここでは混合ダブルスのダイジェストを紹介する。
【混合ダブルス】
東野(現姓・五十嵐)有紗とのペアで、東京、パリと五輪2大会連続銅メダル。2017〜2020年に全日本総合を4連覇している渡辺勇大(BIPROGY/上写真・右)が、田口真彩(ACT SAIKYO/左)とのペアで初参戦。「初戦なので緊張して、いいプレーをするのは難しかった」という田口に硬さが見られ、僅差でゲームが進んだ。それでも第1ゲーム中盤以降、大学生の安保武輝/中原鈴(筑波大)を圧倒。サービスまわりから主導権を握り、21−13、21−12で2回戦進出を決めた。試合後、「試合に出るからには優勝が目標。(田口の緊張は)気にしていません(笑)。緊張は受け入れることが大事なので」と渡辺。パートナーが変わっても、5回目の頂点に向けて迷いはない。
唯一のA代表ペア、世界ランク15位の緑川大輝(上写真・左)/齋藤夏(NTT東日本/ACT SAIKYO)も、大学生ペアにストレート勝利を収めた。相手の野口翔平/青木もえ(筑波大)は、女子の齋藤に的確にシャトルを集めるなど意図のあるラリーを展開。しかし、齋藤はひるむことなく受けて立ち、積極的に前へ。相手を崩したところで、緑川が緩急自在のショットを打ち込み点差を離していった。最後はネット前に浮いたシャトルを、齋藤が叩き込んでゲームオーバー。いい流れで2回戦進出を決めた。「自分たちが日本のエースとして引っ張っていけるように、日本国内の大会でもしっかり優勝できたらと思います」(緑川)と気合十分だ。
B代表の西大輝(上写真・左)/佐藤灯(龍谷大/ACT SAIKYO)、霜上雄一/保原彩夏(日立情報通信エンジニアリング/ヨネックス)も、ストレート勝利で2回戦進出。攻守でコンビネーションが冴えていた。全日本社会人優勝以来のペア結成となった、古賀輝/福島由紀(NTT東日本/岐阜Bluvic)は、竹内宏気/内山真希(岐阜Bluvic)と対戦。世界レベルのレシーブ力、カバー力、ショット力を披露して第1ゲームを21−10で先取。しかし、第2ゲームは終盤まで大接戦。1点を奪い合う展開でも笑顔を絶やさず、時には古賀のダイビングレシーブでラリーをつなぎ、21−19で勝ちきった。
▼1回戦(12月26日)
緑川大輝/齋藤夏(NTT東日本/ACT SAIKYO)②〔21−11、21−13〕0●野口翔平/青木もえ(筑波大)
家壽多慶太/新見桃芭(大同特殊鋼/広島ガス)②〔21−17、18−21、21−15〕1●山元拓摩/室屋奏乃(旭工芸/レゾナック)
西川裕次郎/今井優歩(滋賀県スポーツ協会/YAMATO奈良)②〔21−10、21−17〕0●江頭桜空/内田美羽(法政大)
大関修平/志波寿奈(大同特殊鋼/広島ガス)②〔21−14、16−21、21−19〕1●江藤佑太/神山歩美(東海興業/七十七銀行)
霜上雄一/保原彩夏(日立情報通信エンジニアリング/ヨネックス)②〔21−12、21−13〕0●山澤直貴/曽根 夏姫(コンサドーレ/北都銀行)
小川航汰/水津優衣(ジェイテクトStingers/ACT SAIKYO)②〔21−16、21−15〕0●滝口友士/植村理央(豊田通商)
荒井大輝/畑末真緒(レゾナック)②〔21−19、18−21、21−11〕1●市川和洋/倉島美咲(ジェイテクトStingers/ACT SAIKYO)
柴田一樹/篠谷菜留(NTT東日本)②〔21−9、21−8〕0●井上健太/芦田奈美希(JFE物流/SOGOテクニカル)
西大輝/佐藤灯(龍谷大/ACT SAIKYO)②〔21−15、21−13〕0●澤田修志/玉木亜弥(埼玉栄高/四天王寺高)
三上楓/山口萌(三菱自動車京都/レゾナック)②〔21−13、21−18〕0●中谷壱心/長夢乃(日本体育大)
吉田翼/関野里真(日本体育大)②〔21−17、21−15〕0●川邊悠陽/小笠原未結(日立情報通信エンジニアリング/ヨネックス)
下農走/大澤陽奈(金沢学院クラブ/ACT SAIKYO)②〔21−17、21−18〕0●小川桂汰/原菜那子(岐阜Bluvic)
古賀輝/福島由紀(NTT東日本/岐阜Bluvic)②〔21−10、21−19〕0●竹内宏気/内山真希(岐阜Bluvic)
林谷理貴/古川彩乃(三菱自動車京都/Cheerful鳥取)②〔21−10、21−13〕0●甲谷望/飯島真恵七(北都銀行)
井上誠也/須藤海妃(日立情報通信エンジニアリング/ヨネックス)②〔21−19、24−22〕0●中島巧/千葉美采(TrickyPandars/七十七銀行)
渡辺勇大/田口真彩(BIPROGY/ACT SAIKYO)②〔21−13、21−12〕0●安保武輝/中原鈴(筑波大)
取材・文/バドミントン・マガジン編集部、吉井信行、平野貴也
写真/井出秀人