12月3日、BWF(世界バドミントン連盟)は、2016年リオ五輪男子シングルス金メダリストの諶龍(チェン・ロン/中国)と、2008年北京五輪混合ダブルス金メダリストの李龍大(イ・ヨンデ/韓国)が、BWF殿堂入りしたことを発表した。
1989年生まれの諶龍(上写真)は、27歳の時にリオ五輪金メダルを手にしたほか、2021年東京五輪で銀メダル、2012年ロンドン五輪で銅メダルをつかみ、オリンピックは3大会連続でメダルを獲得。世界選手権でも2014、15年に制し、スーパーシリーズやワールドツアーでも20回以上の優勝を果たした。現役を引退するまで、男子シングルスのトップランナーとして活躍している。
諶龍のプレースタイルは、どんな相手にも適応するオールラウンダー。187センチの長身から放つ強烈なアタックや、長い手足を生かしたディフェンスなど、攻守にわたって高いパフォーマンスを発揮した。ミスが少なく、長いラリー戦でも崩れずに最後まで戦いきるスタミナと勝負根性にも定評があり、トマス杯やスディルマン杯などでは、中国のエースとして何度も世界一に導いている。
男子ダブルスと混合ダブルスで活躍した李龍大(上写真・右)は、19歳で北京五輪の金メダルを獲得して以降、2種目で世界トップランカーの地位を確立。男子ダブルスでは2012年ロンドン五輪で銅メダルを手にしたほか(ペアは鄭在成/ジュン・ジュサン)、世界選手権などでも2種目でメダルを獲得している。スーパーシリーズ/ワールドツアーでは、2種目を合わせて40回以上の優勝を果たした。
長く活躍した男子ダブルスでは主に前衛を務め、司令塔としてゲームを巧みにコントロール。ネット前での鋭いラケットワークや堅実なディフェンスからチャンスを生み出し、パワーとスピードで押し切る得意スタイルで勝利を重ねていった。バドミントンの強さだけではなく、その端正な顔立ちから女性ファンの人気も高く、“バドミントン界の貴公子”として世界中のファンを魅了した。
BWF殿堂入りは、2023年に発表された林丹(リン・ダン/中国)とリー・チョンウェイ(マレーシア)以来。2人の殿堂入りについて、BWFのポール・エリック・ホイヤー会長は「諶龍と李龍大は、この競技のベンチマークを素晴らしい成績を残しました。また、コート内外でバドミントンというスポーツをさらなる高みに引き上げており、その功績を、殿堂入りというカタチで称えることができ誇りに思います」と話し、バドミントンの普及にも貢献した2人に賛辞を送っている。
2人の殿堂入りは12月9日、ワールドツアーファイナルズ2024(12月11日〜15日)のレセプションで表彰され、YouTubeなどSNSなどで配信される予定。
BWF殿堂…国際大会で多くの実績を残した選手や指導者、審判など、バドミントンの普及・発展に貢献した関係者らが対象。発足した1996年以降、今回の2人を含めて73人が殿堂入りを果たしている(人数には発足メンバーを含む)。日本からは全英選手権女子シングルスで4度の優勝を飾った湯木博恵さんが、2002年に殿堂入り。日本代表の朴柱奉監督は、2001年に殿堂入りしている。
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文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO