世界のトッププレーヤーたちが熱戦を繰り広げるBWFワールドツアー・熊本マスターズジャパン(Super500/熊本県立総合体育館)。昨年から新たに日本で始まった国際大会は、今年も大盛況。ここでは、大会最終日の決勝戦を戦った日本選手たちのコメントを紹介する。
保木卓朗(右)/小林優吾
男子ダブルス
決勝はインドネシアのアルディアント/アルフィアンに1-2で敗戦
――試合を振り返って
保木 応援、ありがとうございました。久しぶりに決勝の舞台に立って、 本当に楽しかった。世界トップの2人と対戦して、負けたけど、自分たちもまだまだできるなという手応えがあった。また世界のトップで戦いたい気持ちにもさせてくれるゲームでした。
小林 ファイナルゲームで追いついたけど、最後は非常に悔しい。大会を通して保木と連係してポジティブな試合ができたのは、よかった。自分たちも、もう一花咲かせたい気持ちで、世界ランキング1位にもなりたい気持ちでやっている。まだまだ頑張っていきたい。
――ファイナルゲームの折り返しは6-11。どんな考えで追い上げたのか
保木 リードされましたけど、2ゲーム目を取った方のエンドになる。押せるイメージがある方だった(ので、不安はなかった)。前半でもう少し点差が縮まっていれば、後半の流れも違ったかなと思うけど、そういう(風の影響を考えた)工夫をしながらできるようになったことは、いいことではないかなと思います。
小林 昨年までは安全策でポイントを取りたい気持ちが先走っていたが、今はアグレッシブにやりたい気持ちがある。そういうところで引かずに前に前にという気持ちを出せた。結果には負けてしまったけど、手応えはあったなと思っています。
――決勝戦での手ごたえは?
保木 1ゲームの序盤は相手にやられたというイメージ。サービスを打っても相手に先に落とされる展開で、プレッシャーをかけるのが遅かった。タン(・キムハー)コーチから、サービスを打った後に前に詰めろというアドバイスがあって、自分が前に思い切りいけるようになって修正できて、そこから展開がよくなりました。あの展開を、1ゲーム目からできればよかったです。。
――ファイナルゲーム後半は、(9-14から)17オールに追いつけた
小林 今になって思うと、前衛のファジャル(アルフィアン)選手がそれまでより2歩くらい下がっていたのかなと。前には落としてこないだろうと思って、自分たちの速いロブを待っていたのかなと思う。ファジャル選手はそこが強いのに、見落としてしまっていたと、今、少し冷静に考えると、そう思います。
――この大会では小林選手の野性的なプレーが見られると保木選手は言っていた。どんな場面で、野性味あるプレーを出せたと思うか
小林 今回はフルでスマッシュの後に、(次を)跳んで打っていくというテーマでやっていました。2ゲーム目の中盤に2本ぐらい、自分が前に突っ込んで、前のサイドに落としてノータッチで決まった場面があったと思う。以前は、そんなにスピードを出して前に入りにいかなかった。ギャンブル要素もあるが、そういうプレーがあって、相手が引いてくれたかなと思う。
――保木選手は、どこで頭脳的なプレーを見せられたと思うか
保木 いつも相手との駆け引きを意識してやっています。小林の上からのショットを生かすためにやっているので、小林が強打を打てているところは、作戦を練ってやっているところ。ただ、自分もどちらかというと野生味のかかった頭脳プレーヤーだと思うので、無心にで動いている。ラリーが始まるまでは考えていますけど、ラリーが始まったら、がむしゃらに動いているので、ちょっとあんまり(頭脳的な部分は)感じられませんでした(笑)。
――熊本の会場の雰囲気をどう感じたか
保木 熊本マスターズは、観客の皆さんとコートが近いのが、一番の魅力。自分たちが(インターバルで)コーチにアドバイスを受けているとき、目の前にお客さんがいるような状況は、海外でもなかなかない。お客さんと一緒に戦っている気持ちになれる大会だと思う。五輪が終わって一段落して、さあ、もう1回頑張っていこうというタイミングで、この熊本で決勝にいけたことがすごく自分たちの力にもなりました。この勢いを、また来週(中国マスターズ)につなげていきたいです。
――中国マスターズに向けて
保木 試合が終わってすぐ、また来週のことを考えないといけない。タフな選手生活が、また始まったという実感がある。ただ、五輪レースとか、その前までは、大会を選びながら戦うこともやっていかないと、体(のコンディション)を崩してしまうこともある思う。そこを意識しながら、(参加する)トーナメント(の日程)を組んでいきたい。来週の中国は、自分たちが出ると決めているので、また決勝の舞台に進めるように頑張りたいです。
小林 今までは、ケガを恐れてスマッシュは8割強くらいで打っていたけど、今週はフルに近いカタチで打ってみようというテーマでやっていました。相手選手のレシーブを弾いたり、ノータッチで決めたり、今の自分が通用するなという自信につながった。来週も同じイメージで戦いたいです。
取材・文・写真/平野貴也
【過去の大会結果】
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