世界のトッププレーヤーたちが熱戦を繰り広げるBWFワールドツアー・熊本マスターズジャパン(Super500/熊本県立総合体育館)。昨年から新たに日本で始まった国際大会は、今年も大盛況。ここでは、大会5日目の準決勝を戦った日本選手たちのコメントを紹介する。
保木卓朗/小林優吾(手前)
男子ダブルス
準決勝はマレーシアペアに2-0で勝利!決勝進出!
——試合を振り返って
保木 今日は、自分たちの方がランキングで見れば格上。そういう立場でやるのは、すごく難しい。その中でも自分たちが最初からカタチを崩さずにいけたのがよかった。相手のタン・ウィーキョン選手は、経験値も高い。先に前を出られると苦しい部分が絶対出てくるし、自分が前を先に取られないカタチが一番強いと思う。そこを崩さずにできた。相手に後ろから打たせれば、自分たちに分があると思ったので、大きな展開を意識しつつ、先に落として自分が前に入るカタチを意識しました。
——ここまでの戦いの中での手応えは?
保木 本当にバドミントンを楽しめています。昨日の試合は楽しむというより、疲れた、きつかったという感想でしたけど、その中にも楽しさはあったから、最後に踏ん張れた。明日は、タフなゲームになると思いますけど、楽しむ気持ちを忘れずにやれば、結果もついてくるのかなと思っています。
——メンタルの部分で余裕が生まれ、プレーにも幅が出ている?
小林 プレーの幅が広がるというか、保木(の動き)を見てプレーすることができています。視野が広がっているのかなと思う。それが自信につながっているので、今は非常にいいかなと思います。
——久しぶりの決勝戦。意気込みは?
小林 勝ちたい気持ちもありますが、自分たちのプレーを出す、1点、1点、考えながら楽しむことができているのが非常にうれしい。このままやっていけば、決勝もおのずといい結果になると思って頑張っていきたいと思います」
——アルフィアン/アルディアント(インドネシア)とは4勝3敗。どんな印象?
小林 相手のサービスまわりは注意が必要。ファジャル(・アルフィアン)選手には多彩なショットがあって、ハーフやネットをしっかりと使ってくる。アルディアント選手はスマッシュがすごく速い。似ているタイプではあるので、どちらが前を制するかがカギ。ああいうタイプのペアには、自分たちが横に並ぶ時間をあまりつくりたくない。自分たちのどちらかが積極的に前にいくプレーがうまくいけば、勝てるかなと思います。
保木 相手は、ノーロブの展開がすごく上手、そしてサービスまわりもうまい。自分たちが後手にならないように、先に球を沈めて、こちらのアタックのカタチをつくりたいと思います。
——連敗中の相手だが、今の勢いなら違う?
保木 相手はコンスタントに結果を残しているペア。今の状態で、どこまで通用するか、トライできるチャンス。しっかりと、挑戦者の気持ちで頑張りたいです。
——明日の決勝も多くのファンが来ると思うが?
保木 自分たちの気迫と声援が重なれば、多分すごい力になる。自分たちの背中を押してもらう気持ちで、明日も応援してもらえればと思います。
小林 熊本で決勝にいけるのは非常にうれしい。ファンの皆さんの声援が自分たちの力になるので、明日もファンと一体となって熊本を制したいなと思います。
——最近、日本の男子ダブルスは元気がない印象だが?
保木 自分たちも感じています。今、自分たちの次は、三橋健也/岡村洋輝ペアだけど、世界ランクが20台。一緒にレベルアップしていかないといけない。その下も全然ついてきていない状況。4年前に東京五輪が終わった後、自分たちが経験したことと似ている。男子ダブルスを引っ張るペアが出てくることが一番大事。自分たちが勝つ姿を見て、後輩たちが自分たちもできるんじゃないかと思ってほしいです。
絶対に世界のトップと戦えるのに、どこかで気持ちが引いているというか、できないと決めつけてしまっているペアが多いように思う。最初から諦めるのではなく、上位の選手と戦うぞという気持ちがもう少し欲しい。自分たちが4年前くらいから日本のエースとしてやってきているけど、自分たちにも日本でライバルという存在が必要。そのペアと一緒に世界をまわって、あのペアが勝ったから自分たちも負けられないとか、そういう競争意識が国のレベルをアップには絶対必要になる。そういった意味でも、自分たちもそういうペアが欲しいなという気持ちでやっています。
取材・文・写真/平野貴也
【過去の大会結果】
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