世界のトッププレーヤーたちが熱戦を繰り広げるBWFワールドツアー・熊本マスターズジャパン(Super500/熊本県立総合体育館)。昨年から新たに日本で始まった国際大会は、今年も大盛況。ここでは、大会5日目の準決勝を戦った日本選手たちのコメントを紹介する。
志田千陽&松山奈未(奥)
女子ダブルス
準決勝は中国ペアに0-2で敗戦
――試合を振り返って
志田 自分たちの力を全然出せなかった。相手に対して、力を出し切る気持ちがまず大事だと思っていましたが、それができなかったのは、反省点。私はサービスが不安定になってしまった。五輪の(対戦で感じた)怖さがあるので、気持ちの部分でもっと強くならないといけないです。
――第1ゲームから押される展開が続いた
松山 レシーブはストレート勝負で行こうと思っていましたが、すごく捕まった。そこから迷いが出て、解決策を見つけられずに試合が進んでしまったのが、もったいなかったです。
――立ち上がりから失点が続いた
志田 五輪でもデンマークオープンでも、出だしを6-11で離されてしまった。11点を先に取れれば……という(強気の)気持ちはありました。試合の途中は、しっかりラケットを振っていこうと話しましたが、やっぱり相手の球が速い。それでも、思ったより伸びてこないときもあったのですが、自分たちの足が止まっていたのか、ディフェンスでねらいどころがなくなり、先にやられて気持ち的にも引いてしまいました。
――松山選手はサービスミスから始まったが、リズムが取り戻せなかった?
松山 (サービスを)打とうとしたときに、最初から“圧”を感じて、それでミスしてしまいました。自分も最初からの流れは大事にしようとしたけど、サービスミスから始まったのは予想外で、びっくりしました。
1ゲーム目は、ずっと相手に押されている感覚があり、どう抜けるかずっと迷っていて、結局抜けられずに終わったという感じでした。迷い過ぎて、どうしようという思いが大きすぎたところが、乗り切れずに終わってしまった理由かなと思います。
――持ち味の速さに頼る展開になり過ぎない意識で臨んだか
志田 2ゲームの途中は、やってしまった部分が何回かありました。譚寧(タン・ニン)選手がどんどん前に入ってきて、少しでも球が浮いたら前で捕まる。思い切って後ろを使えればよかったけど、出だしの時点でディフェンスが合っていなかった。大きい展開をしたくても、不安が残ったまま(高い球を)上げてしまった。そこは、五輪、デンマークオープンと変わらなかった部分。ディフェンスで自信を持って返さないといけないなと感じました。
――今後について
志田 五輪後は悩む部分があった中、今大会は(準々決勝までは)いいパフォーマンスができた感覚がありました。でも、今日は全然出せなかった。気持ちの部分でも多少の差があると思いますし、プレーの部分の入り方だったり、何かが違ったから、今日の展開になってしまったと思う。自分たちにある問題をしっかり解決して、こういう試合が続かないようにしたいです。
――今大会で声援をくれた地元のファンへのメッセージを
志田 点差が離れてしまった中でも最後まで信じて応援してくれたことで、最後まで諦めない気持ちが自分たちも湧いてきました。本当にこの4試合、たくさんのパワーをいただいて、自分たちも楽しむことができました。また、ここに戻ってこられるように、2人で頑張りたいと思います。ありがとうございました。
松山 熊本で試合をできて、たくさんの方に応援していただけたことは、本当に幸せでした。優勝に届かなかったところが悔しいですけど、また自分たちも頑張っていきますので、これからも応援よろしくお願いします。
――今後の目標は?
志田 2人でワールドツアーファイナルズの出場を今年の目標の一つで、その出場権を獲得できました。五輪が終わってからは、なかなか練習が続けてできなかったり、コンディションが整わなかったりしましたが、最終的に12月(のファイナルズ)に、自分たちがいいパフォーマンスができればといいねと話しているので、来週の大会もありますけど、そこに向けて練習を積み重ねていって、ツアーファイナルズでは優勝したいです。あと、全日本総合もあるので、そこでも優勝できるように頑張りたいと思います。
松山 来週、すぐ中国マスターズがあるので、そこで今日の相手と対戦できるように頑張りたいですし、優勝をめざして頑張りたいと思います。それから、同じになりますけど、ツアーファイナルズと全日本総合は、まだ(タイトルを)取ったことがないので、2人で頑張りたいと思います。
取材・文・写真/平野貴也
【過去の大会結果】
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