バドミントンの最高峰リーグ「S/Jリーグ2024」が11月2日に開幕。大会2日目となる11月3日のさいたま大会では、前日に続いて男子Sブロックの3試合と女子Sブロックの3試合が行なわれた。ここでは、男子の熱戦の模様をダイジェストでお伝えする。
【ダイジェスト】
第2日の出だしは、開幕日に起きた波乱の余韻が漂っていたが、終わってみれば上位候補がそろって勝利を収める結果となった。最もハラハラしたのは、連覇をねらうジェイテクトだ。初日は、東海興業の東海地方対決でまさかの黒星。立て直しを図る第2日だったが、初のトップリーグ昇格を果たした大同特殊鋼に苦戦を強いられた。第1ダブルスの相澤桃李/佐野大輔が、大関修平/家壽多慶太を相手にペースを握れず、第1ゲームを12本で落とした。第2ゲームを取り返したが、ファイナルゲームはリードを広げられず、終盤17オールの競り合いから19-21で敗戦。2日連続で第1ダブルスを落とす形となった。
連敗を喫すれば、ブロック上位2位に与えられるTOP4出場権獲得は大きく遠のく。大ピンチと思われたが、シングルスの小川翔悟(上写真)、第2ダブルスの川島直也/永渕雄大(内定選手/筑波大)が勝って逆転に成功。連覇へ望みをつないだ。和田周監督は「難しい試合でした。言い訳になってしまうが、チャンピオンになったことのある経験をしている選手が西本拳太しかいない。昨季とは全然違う精神状態になるだろうとは思っていましたが、準備が甘かった。幸い、シングルスは、かなり安心して任せられる選手がそろってきている。ダブルスは難しい戦いになるけど、もう全部勝つしかない」と、初めて追われる立場になったチームの難しさを明かしつつ、黒星スタートからの巻き返しを誓った。
金沢学院クラブを相手に3-0で勝利を収めたNTT東日本も、出だしは不安定だった。第1ダブルスには日本ランキングサーキット、全日本社会人選手権の国内2冠を飾っている山下恭平(上写真・右)/緑川大輝を起用したが、第1ゲームは浦隆斗/伊藤吏永に22-24で奪われる展開。しかし、ファイナルゲームに持ち込んで2-1で逆転勝利を飾り、シングルスは田中湧士が接戦に勝利。第2ダブルスは、武井優太/遠藤彩斗が2-1でベテランの下農走/西川裕次郎を振り切った。このブロックは、NTT東日本やジェイテクトが上位候補となるが、他チームも十分に脅威となり得ることが、開幕2日間で実証される形となった。
特に、上位候補2チームに引けを取らない戦力を有する日立情報通信エンジニアリングは、2日連続の3-0勝利で地力を発揮。同じく連勝を飾ったNTT東日本とともにTOP4進出争いをリードする構えだ。第2日は、前日にジェイテクトを破る番狂わせを見せた東海興業と対戦。シングルスを野田統馬から牧野桂大に代えたが、選手がしっかりと期待に応えた。杉山勝美監督は「ダブルスの2枚看板が、力を発揮してくれた。次戦以降に大きな手ごたえを感じた」と第1ダブルスの霜上雄一/野村拓海、第2ダブルスの松居圭一郎(上写真・左)/玉手勝輝に信頼を寄せた。昨季は負傷や体調不良のために思うようなオーダーを組めずに苦戦したが、今季はスタートから安定感を見せている。上位候補が他チームから突き上げを受ける流れとなっているSブロックは、今後どのような争いを見せるのか。やはり上位候補が強いのか、まだ波乱は起きるのか。目の離せない展開が続きそうだ。
▼Sブロック結果(11月3日)
NTT東日本(2勝)3−0 金沢学院クラブ(2敗)
山下恭平/緑川大輝②〔22−24、21−16、21−13〕1●浦隆斗/伊藤吏永
田中湧士②〔23−21、21−18〕0●内野陽太
武井優太/遠藤彩斗②〔21−17、20−22、21−16〕1●下農走/西川裕次郎
ジェイテクト(1勝1敗)2−1 大同特殊鋼(2敗)
相澤桃李/佐野大輔●1〔12−21、21−10、19−21〕②大関修平/家壽多慶太
小川翔悟②〔21−14、21−10〕0●武田航太
川島直也/永渕雄大②〔21−15、21−10〕0●本田尚人/農口拓弥
日立情報通信エンジニアリング(2勝)3−0 東海興業(1勝1敗)
霜上雄一/野村拓海②〔21−12、21−16〕0●長峰善/寺島颯大
牧野桂大②〔21−15、21−11〕0●本田光
松居圭一郎/玉手勝輝②〔21−13、21−12〕0●大滝聖矢/江藤佑太
取材・文/平野貴也
写真/井出秀人
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