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【パラ国際大会】SL3の藤原大輔がパリ金メダリストを破り、優勝! 車いす種目では村山浩&梶原大暉、里見紗李奈&山崎悠麻がペアラストV! 『ヒューリック・ダイハツJapan パラバドミントン国際大会2024』

10月22日から27日まで、東京都渋谷区・国立代々木競技場第一体育館で『ヒューリック・ダイハツJapan パラバドミントン国際大会2024』が開催。27日には、各種目の決勝などが行なわれた。

SL3男子シングルスでパリパラリンピック金メダリストを破り、優勝した藤原大輔

SL3(下肢障がい/障がいが重いクラス)男子シングルスでは、藤原大輔がパリパラリンピック金メダリストを1時間39分の熱戦の末に破り、優勝を果たした。決勝で対戦したインドのクマール・ニテーシュとは、パリパラリンピック準決勝で対戦。その際には、ストレートで敗れていたが、今回は「観客の後押しのおかげで、我慢できた」と、21-16、18-21、21-19と大接戦を制した。パリパラリンピック後ということもあり、今大会に向けて十分な準備ができていなかったと振り返り、「お互い万全ではなかった」(藤原)と言う中だったが、「150パーセントの力を出して、パリではやり切れなかった我慢のゲームをやり切れた」と胸を張った。

SL4女子シングルスを制した澤田詩歩。パラリンピック2大会出場の藤野遼を決勝で破ってV

立位の女子シングルスでは、SL4(下肢障がい/障害が軽いクラス)で、20歳の澤田詩歩がパリパラリンピック5位の藤野遼を破って、国際大会初優勝。澤田にとって、東京とパリのパラリンピック2大会に出場している藤野は憧れの存在だ。第1ゲームは藤野が後半に精度を上げてモノにしたが、第2ゲーム終盤に集中力を発揮した澤田が16オールから5連続得点で1ゲームオールとすると、ファイナルゲームは終始リードする展開で藤野から初勝利を挙げた。「一緒に練習してきたので、動きや次に来る球が読めたのが大きかった。遼さんに勝ちたいというのはずっと目標だったので、本当にうれしい」と澤田。「SL4はフットワークが大事だと思うので、今後は足腰を鍛えたり、全体的に筋力強化していきたい」と今後に向けて課題を挙げた。

単複2冠を達成したWH1の村山浩(右)とWH2の梶原大暉

車いす種目では、パリパラリンピックで金メダルを獲得したWH2(障がいが軽いクラス)男子シングルスの梶原大暉、WH1(障がいが重いクラス)女子シングルスの里見紗李奈が優勝し、連覇を達成。また、WH1男子シングルスでは、村山浩が大山廉織とのファイナルゲームにもつれる接戦を制して、JAPANパラ国際でのシングルス初優勝を果たした。梶原と村山は、ダブルスも制し、2冠。里見も山崎悠麻と組んだダブルスを制し、すでに26日にシングルス優勝を決めている山崎とともに2冠を達成した。

すでに強化指定選手としての活動を今大会限りと表明している山崎と同様、男子WH1で日本を引っ張ってきた村山も、ダブルス決勝後に代表からの引退を表明。「最後にシングルスとダブルス両方で優勝できて、よかった」と村山。2019年からペアを組んできた梶原は「村山さんとでなければ、パラリンピックのメダルには届かなかった。たくさんお世話になったし、僕の方からプレッシャーをかけたこともあった。生意気なことも言ったと思うけれど、勝つために同じ目標をもって5年間やってこられた。自分のバドミントン人生の中でも大きなものになっている。ありがとうございます」と感謝を伝えた。

ペアとしてのラストマッチを勝利で飾った里見紗李奈(右)と山崎悠麻

ペアとしての有終の美を飾った里見と山崎は、試合終盤にすでに涙。「私の方が先に泣いていた」という里見が、「私が始めたばかりの頃から憧れていた。組ませてもらって、ユマさんとだから見られた景色がたくさんあった。本当にありがとう」と涙ながらに感謝の言葉をかけると、山崎も「今まで一緒にやってこられたから、私もパラリンピックで金メダルと銀メダルを取れた。楽しいパラバドミントン人生だったので、寂しい気持ちは強いけど、これからもサリちゃんが頑張っている姿を応援していく」と話した。

SU5(上肢障がい)男子シングルスでは、今井大湧が、インド選手との決勝を21-5、21-19のストレートで制して優勝。今井はSL3の伊藤則子との混合ダブルスも制して、2冠を達成した。また、SU5女子シングルスの豊田まみ子は決勝で敗れ、準優勝だった。

SL3-SU5混合ダブルスを制した今井大湧(右)と伊藤則子。今井はSU5男子シングルスも制し、2冠

取材・文/バドミントン・マガジン編集部

写真/齋藤豊

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