パリパラリンピック・バドミントン競技が、8月29日から9月2日まで、フランス・パリのポルト・ドゥ・ラ・シャペル・アリーナで開催された。5日間にわたって白熱した戦いが繰り広げられ、日本勢は4種目で4つのメダルを獲得した。
2021年の東京大会から正式競技として採用されたバドミントン競技。日本は初の開催となった前回大会で、合計9個のメダルを獲得。車いす・男子シングルスWH2の梶原大暉、車いす・女子シングルスWH1里見紗李奈、そして車いす・女子ダブルスWHの里見/山崎悠麻が金メダルをつかんでいた。
連覇や初の金メダルをねらう日本勢の中で、強さを発揮したのが今大会の優勝候補とされた梶原(上写真)と里見。梶原は村山浩との車いす・男子ダブルスにも出場し、その村山/梶原は、同種目・準決勝で敗れた後の銅メダルマッチで、日本の長島理/松本卓巳と対戦。この勝負を2-1で村山/梶原が制し、前回大会に続く銅メダルを獲得した。また、競技最終日の9月2日に行なわれた車いすWH2・男子シングルスの決勝戦に進出した梶原は、香港選手を21−10、21−10に抑え快勝。東京大会からの連覇を達成し、金メダルを手にした。
東京大会に続く車いすの単複2冠をねらった里見(上写真)は、山崎とのペアで決勝に進出。東京大会の決勝でも対戦したライバルを相手に、第1ゲーム17本で奪われた里見/山崎。第2ゲームもリードされる展開から後半18オールの同点に持ち込んでみせたが、最後は相手に抜け出され19-21で敗戦。2大会連続の金メダルは逃したものの、里見/山崎が銀メダルを手にした。
里見は翌日に行なわれた車いす・女子シングルスの決勝に挑むと、前回大会と同じタイの強敵スジラット・ポーカンと激突。第1ゲームを失った里見だったが、第2ゲームは持ち味の攻撃を生かしてポイントを重ね、21−13で取り返しファイナルゲームへ。その最終ゲームは、中盤以降に5連続ポイントなどで相手を引き離した里見が、最後は21−18で勝利。見事な逆転勝利で2大会連続の金メダルをつかみとった。
日本勢の結果は以下の通り。
【WH1車いす】
▼男子シングルス
村山浩…5位入賞
長島理…予選リーグ敗退
▼女子シングルス
里見紗李奈…金メダル
【WH2車いす】
▼男子シングルス
梶原大暉…金メダル
松本卓巳…予選リーグ敗退
▼女子シングルス
山崎悠麻…4位入賞
【WH1-2車いす】
▼男子ダブルス
梶原大暉/村山浩…銅メダル
長島理/松本卓巳…4位入賞
▼女子ダブルス
里見紗李奈/山崎悠麻…銀メダル
【SL3立位】
▼男子シングルス
藤原大輔…4位入賞
▼女子シングルス
伊藤則子…予選リーグ敗退
【SL4立位】
▼女子シングルス
藤野遼…5位入賞
【SU5立位】
▼男子シングルス
今井大湧…予選リーグ敗退
▼女子シングルス
豊田まみ子…5位入賞
亀山楓…予選リーグ敗退
【SL3−SU5立位】
▼混合ダブルス
今井大湧/伊藤則子…予選リーグ敗退
■クラス
WH1 車いす
WH2 車いす
SL3 立位:下肢障がい(重度)
SL4 立位:下肢障がい(軽度)
SU5 立位:上肢障がい
SH6 立位:低身長
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/Getty Images