【ジャパンオープン2024】ペアとして最後の大会となる渡辺&東野が連覇に向けて好発進!〈初日結果〉

ダイハツ・ジャパンオープン2024(横浜アリーナ/SUPER750)は、20日に第1日を行ない、日本はパリ五輪の銅メダルを獲得した混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗(BIPROGY)らが初戦を突破した。

上位候補だった韓国、タイのペアが欠場し、第1シードに繰り上がった「ワタガシ」ペアは、1回戦でプレスリー・スミス/アリソン・リー(米国)に2-0で快勝。2連覇に向けて好スタートを切った。7本、3本と失点を最小限に抑えた勝ちっぷり。リードを広げても集中した表情を崩さなかった渡辺は「次を見据えていたし、コートの感覚をうまくつかみたかった。スピードを落とすとか、手を抜くとかは、2回戦に向けてもったいないことになってしまうので、確認の意味も含めて、いつもどおりのプレーを出し切れた」と隙を見せなかった。

五輪直後で歓声や拍手も送られたが、渡辺は「もっと、お客さん、入ってほしいですね。五輪、すごかったので。ぜひ応援に来てほしい」とさらなる来場を呼び掛けた。同種目では、日本B代表の西大輝/佐藤灯(龍谷大/ACT SAIKYO)も1回戦に臨んだが、ファイナルゲームの末に敗れた。

男子シングルスでは、B代表の田中湧士(NTT東日本)が、世界ランク9位のアンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア)の途中棄権により、2回戦進出を果たした。序盤は、世界屈指のスピードラリーを見せる相手に苦戦したが、少しずつ慣れてくると、第1ゲームを12オールで追いつき、競り勝った。第2ゲーム序盤で相手が左足首の負傷を訴えて棄権。田中は「気持ちの良い勝ち方ではなかったけど、一つでも多く勝ちたいのでホッとしている」と話した。

パリ五輪が終わった直後でメダリストが注目を集めている中、田中らロス五輪を目指す世代の戦いが始まる大会でもある。小学生の頃から憧れたジャパンオープンへの初挑戦で感慨深い思いもあったというが「ただ楽しむだけではなく、勝ちにいかないと意味がないので、ここで人生を変える、というつもりで来ている」と4年後に向けた一歩目にかける強い気持ちをのぞかせた。

同種目では、パリ五輪に出場した西本拳太(ジェイテクト)、リザーブから繰り上がった高橋洸士(トナミ運輸)が初戦を突破。ともに、打球にスピードが出にくい環境の中、長いラリーの多いゲームをしぶとく制した。西本は、2ゲーム目の18点目でコートに飛び込んで拾ったショットがラインギリギリに入るスーパーレシーブで会場を沸かせる場面もあった。

女子シングルスでは、パリ五輪に出場した選手では、同大会でベスト8だった大堀彩(トナミ運輸)が白馭珀(台湾)に2-0で快勝。2015年の女王である奥原希望(太陽ホールディングス)、仁平菜月(ヨネックス)も勝ち上がり、両者は2回戦での対決が決まった。注目の日本勢対決となるが「日本での大会は、止める選択が難しい」と話した奥原は、負傷を抱えており、持ち味のフットワークを発揮できなかったのが気がかりだ。

男子ダブルスは、パリ五輪に出場した保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)が、邱相榤/王齊麟(台湾)に初戦で敗退。ロス五輪を目指す岡村洋輝/三橋健也(BIPROGY)が、2回戦で敵討ちに挑む。

女子ダブルスは、日本勢5組のうち中西貴映/岩永鈴(BIPROGY)のみが初日に登場。2-1の逆転で2回戦に駒を進めた。

21日に行われる第2日は、未実施の各種目1回戦が行なわれる。

【男子シングルス】

渡邉航貴●0〔14−21、10−21〕②林俊易(台湾)50分

田中湧士○〔21−17、4−5キケン〕●アンソニー・S・ギンティン(インドネシア)27分

西本拳太②〔21−19、21−17〕0●翁泓陽(中国)68分

高橋洸士②〔21−17、21−19〕0●雷蘭渓(中国)60分

【女子シングルス】

仁平菜月②〔21−15、21−17〕0●リーネ・クリストファーセン(デンマーク)48分

奥原希望②〔21−14、21−14〕0●ローレン・ラム(アメリカ)36分

大堀彩②〔21−13、21−10〕0●白馭珀(台湾)35分

【男子ダブルス】

柴田一樹/山田尚輝●0〔13−21、13−21〕②ゴー/ヌー(マレーシア)39分

保木卓朗/小林優吾●0〔16−21、13−21〕②王齊麟/邱相(台湾)33分

三橋健也/岡村洋輝②〔21−11、21−9〕0●ケヴィン・リー/タイ・アレクサンダー・リンデマン(カナダ)29分

【女子ダブルス】

中西貴映/岩永鈴②〔19−21、21−14、21−12〕1●スン・ユーシャン/ワン・ユーチャオ(台湾)67分

【混合ダブルス】

西大輝/佐藤灯●1〔19−21、21−11、11-21〕②葉宏蔚/チャン・ニコール・ゴンザレス(台湾)49分

渡辺勇大/東野有紗②〔21−7、21−3〕0●プレスリー・スミス/チェン・ジーイー(アメリカ)27分

取材・文/平野貴也

構成/バドミントン・マガジン編集部

写真/小山真司

投稿日:2024/08/20
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