パリオリンピック・バドミントン競技（会場：ポルト・ドゥ・ラ・シャペル・アリーナ）に出場した日本代表選手が、熱戦の地となったフランスから帰国。8月9日に空港内で行なわれた記者会見に参加した。ここでは、記者会見後の囲み取材に応じた選手たちのコメントを紹介する。
渡辺勇大（右）＆東野有紗
混合ダブルス
銅メダル
（2大会連続）
――帰国して、心境の変化は？
渡辺 まだ結構忙しくさせてもらっているので。「早く休みたい」なと。
東野 「日本に帰ってきた」という喜びが大きいです。向こう（パリ）に長い期間いたので、やっと帰ってこれたと思います。
――日本勢初となる2大会連続のメダル獲得
渡辺 勝ち続けられる選手というのは、僕らがずっと目標にしてきたこと。今回、それがオリンピック2大会メダル獲得ということで、少しは示せたんじゃないかという気持ちと、まだまだ上はめざせたなという悔しい気持ちがあります。
東野 予選リーグは、（同組だった）デンマークペアがドーピングのことで（欠場し）3ペアになっての試合。そこで1回勝たないときつい状況でしたが、台北のペア（葉宏蔚／李佳馨・台湾）も勝ったり負けたりだったし、香港ペア（鄧俊文／謝影雪）も最近は勝ったり負けたり。本当にここを抜けるのが大変でしたが、その中で1位通過で抜けたことが、その後を自信を持って臨めたと思います。金メダルをめざしていったので悔しい気持ちはありますが、メダルを取れたのはうれしかったです。
※クリスチャンセンのドーピング検査の対応が問題となり、デンマーク協会が開幕前にクリスチャンセン／ボエの出場辞退を発表。4ペアで争うグループCは、1ペア減った状況で実施
――東野選手は直前に足を負傷。不安もあった
東野 足をケガした後、その不安があったからなのか、今度はラケットを握り過ぎて腱鞘炎になってしまい、ラケットを握れない期間が結構長く続きました。いろいろと試した中で、パリに行ってからやっといい感じで治療を受けられて、ラケットを握れるようになりました。向こうでは、ストレスなくできたかなと思います。足は、今もまだ痛みはちょっとありますが、プレーには支障がない程度です。
――3位決定戦（韓国の徐承宰／蔡侑玎）の内容について
渡辺 最初、シャトルが飛ばずにロングラリーになって、「うわっ、きついな」と。我慢するしかないと思ったけど、相手がスピードを上げてきたので、それに合わせて同じスピードで戦っていこうと思うぐらいでした。
風の影響もありましたし、途中からシャトルが飛ぶようになったけど、相手が準決勝（の接戦）で疲れているのはわかっていたので、こっちが決め急ぐことなく我慢のゲームをしようと2人で話し合っていたので、うまくいったかなと思います。
――五輪は2回目の出場。無観客の東京大会を経験して役だったことは？
渡辺 2回目の方が自信を持ってプレーできたと思っています。東京は無観客だったので、本当にプレッシャーだけを感じ取ってしまいました。ただ、あれ以上のプレッシャーを受ける場面は今後ないと思ったので、2回目のほうが気持ちは全然楽でした。
東野 前回は、本当に楽しめなくて。全部がつらい試合だったし、一日一日がつらい状況になっていたけど、今回は思い切ってプレーできましたし、楽しんでやることができました。
――まずは休みたいところだが、今後について話をしたことは？
東野 とりあえずジャパンオープン（8月20日〜25日／神奈川・横浜アリーナ）があるので、目の前の大会を1個ずつやっていくだけです。
渡辺 まだまだ（オリンピックから）切り替える時間が必要なので、まずはゆっくり休んで。あとはジャパンオープンがあるので、そこに向けてというのが一番かなと思っています。
取材・写真／平野貴也
構成／バドミントン・マガジン編集部