パリ2024オリンピック・バドミントン競技の8日目、後半のセッションでは女子ダブルスの3位決定戦および決勝が行なわれた。ここでは3位決定戦を戦った志田千陽/松山奈未ペアの試合を振り返る。
過去の対戦成績9勝1敗と相性のいいピアリー・タン/ティナー・ムラリザラン(マレーシア)と銅メダルを争った志田/松山は、その相性通り、相手を攻略した。攻撃的なスタイルを持ち味とするマレーシアペアに対して、サービスまわりから丁寧にネット前に落とし、相手の攻撃を封じるとともに、先に攻撃体勢をつくって、素早い連係でスマッシュ、プッシュと攻め込んだ。
第1ゲームを21-11で先取すると、第2ゲームも勢いは止まらず、序盤からリードを奪って圧倒。中盤にはマレーシアペアが長いラリーで食い下がるも、慌てることなく志田がドロップを決め、大歓声に応えて、ガッツポーズを見せた。最後は松山がプッシュを決め、フィニッシュ。試合終了から松山は涙が止まらず、1歳年上の志田はその松山を優しく抱きしめた。
「準決勝の敗戦で切り替えるのは難しかったし、試合をするのが怖かった」と試合後に松山は明かし、「試合前は気を抜くと涙が出そうだった」とは志田。予選リーグで1敗を喫し、準決勝で敗れて、大会期間中には悔しい表情を見せることも多かったが、最後は最高の笑顔で五輪の舞台を締めくくった。
【女子ダブルス】
▼3位決定戦
志田千陽/松山奈未(日本)②〔21−11、21−11〕②ピアリー・タン/ティナー・ムラリザラン(マレーシア)41分
取材・構成/バドミントン・マガジン編集部
写真/Getty Images