8月3日に競技4日目を迎えた、バドミントンのインターハイ(全国高校総体)。同日は男女とも、個人戦シングルスの1回戦から準々決勝までが実施された。ここではSAGAサンライズパーク(SAGAアリーナ・SAGAプラザ)と、吉野ヶ里町文化体育館で行なわれた女子のダイジェストをお伝えする。
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【女子ダイジェスト】
追われる立場はいつも苦しく、「順当」な結果を出し続けることは難しい。前日はダブルスの第1シードが準々決勝で敗れ、今日はシングルスでも、選抜チャンピオンの証として第1シードを背負っていた平本梨々菜(青森山田)が4回戦に止まった。
「選抜は実力というより、強い気持ちを持ち続けた結果だと思っていたので、今回も同じような気持ちで戦おうと思っていました。でも、相手が向かってくるなかで、受け身のプレーにまわってしまった」。悔し涙が乾いた後でそのように振り返った平本。「強い気持ち」が支柱だったのなら、団体戦の決勝で自身の逆転負けによってチームが敗れたこと、その悔しさを個人戦のダブルスでも晴らせなかったことは、支柱に影響を与えたかもしれない。だが、それでも、最後まで全力を尽くした価値は大きい。
4回戦で平本の足元を掬ったのは、1学年下の伊藤菜央加(名古屋経済大市邨)だった。選抜女王の焦りを引き出すしぶとさを見せ、17本、16本のストレート勝ち。ただ、追われる立場も難しいが、金星の次の試合もまた難しい。伊藤は、昨年3位の松田仁衣菜(福井工大附福井)に14本、6本で敗れた。
勝った松田は、「予想していた相手ではなかったけれど、練習試合もしてよく知っているので、やりにくさはなかった。強気でプレーできました」と、前日のダブルスに続くシングルスでの準決勝進出に笑顔を咲かせた。
次の相手は、この連戦のなかでも疲れ知らずの体力と気力を見せている砂川温香(柳井商工)。ダブルスの準々決勝で敗れて3冠の夢が散った落胆も、団体戦から戦い詰めの肉体的負担も、キャプテンとしての責任という重圧も、何も感じさせずにコートを縦横無尽に走り回っている。
右上のヤマからは、平本のダブルスパートナーでもある横内美音(青森山田)が、相棒の無念を晴らすかのように別会場から勝ち残ってきた。自身が体調不良で出場できなかった選抜で3位になった栗山陽菜(九州国際大付)を、準々決勝で破っての2年連続ベスト4入りだ。
その下のヤマでは、初めから異彩を放っていた宮崎友花(柳井商工)が軽やかに勝ち上がった。昨年すでに春夏連覇を果たし、高校生で唯一人、日本A代表入りしてシニアの国際舞台でも堂々と戦う17歳。シード順に関係なく、事実上の高校ナンバーワンである。同世代で突き抜けたレベルの持ち主は、挑戦を受ける立場のプレッシャーにも、いまのところ動じる気配がない。
宮崎以外の3人も、全員がU19日本代表。明日はハイレベルなインターハイ女王争いになりそうだ。
■個人女子シングルス準決勝のカード(4日)
松田仁衣菜(福井工大附福井) ― 砂川温香(柳井商工)
横内美音(青森山田) ― 宮崎友花(柳井商工)
取材・文/山口奈緒美
写真/菅原 淳
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