8月2日に開催されたパリオリンピック・バドミントン競技(会場:ポルト・ドゥ・ラ・シャペル・アリーナ)7日目は、各種目の決勝トーナメントが行なわれた。ここでは後半セッションの結果をお伝えする。
5種目の中で最初のメダルマッチとなった混合ダブルス。その決勝戦は、中国の鄭思維(ツェン・シーウェイ/上写真・右)/黄雅瓊(ファン・ヤーチョン)と、準決勝で韓国対決を制した金ワンホ/鄭ナウンが激突。前回の東京オリンピックで銀メダルに終わった鄭思維/黄雅瓊は、3年越しのリベンジに向けて第1ゲームからスピード全開。鄭思維が後ろから豪快なスマッシュを叩き込んでペースをつかみ11-4。前衛の黄雅瓊も俊敏なフットワークでネット勝負を制し、21-8で先制した。
第2ゲームも、鄭思維/黄雅瓊の勢いは止まらない。韓国の金ワンホが強烈なスマッシュで応戦したものの、ペースを引き戻すことはできず。リードを広げた中国ペアは、鄭思維が幅広くコートを駆けまわり、黄雅瓊はネット前を支配。あっという間に20-11でチャンピオンシップを手にすると、最後は鄭思維の強烈なクロスドライブが決まり優勝。数多くの世界タイトルを手にした最強ペアが、念願の五輪金メダルをつかみとった。
今大会最初の金メダリストが誕生した後、男子シングルスの準々決勝が行なわれた。第1シードの石宇奇(中国)は、1回戦で西本拳太を下したクンラビット・ビティサラン(タイ・上写真)と対戦。第1ゲームから主導権を握ったのはクンラビット。調子が上がらない石宇奇から21-12で先取すると、第2ゲームもそのまま積極的に攻撃を仕掛けて21-10で快勝。第1シードを下したクンラビットは、「相手に攻撃されると、自分のプレーが難しくなるのはわかっていた。だから、今日はより速く攻め続けようと思った」と話し、「相手はプレシャーが相当大きかったと思う。ミスが多かった」と勝因を振り返った。一方、準々決勝敗退となった石宇奇は「彼は本当にいいプレーをしていたし、試合中に解決策が見つからなかった。コートでは、本当に何もできなかった」と、完敗だったことを認めた。
このほか、東京オリンピックからの連覇に挑むビクター・アクセルセン(デンマーク)と、同種目でマレーシア初の金メダルをねらうリー・ジジャ、そして、周天成(チョウ・ティエンチェン/台湾)との1時間16分の激闘を制したラクシャ・セン(インド)が、メダルがかかる準決勝へと勝ち進んだ。
8月2日の午後セッションの結果は以下の通り。
【混合ダブルス】
▼決勝(8月2日)
鄭思維/黄雅瓊(中国)②〔21−8、21−11〕0●金ワンホ/鄭ナウン(韓国)39分
▼3位決定戦(8月2日)
渡辺勇大/東野有紗②〔21−13、22−20〕0●徐承宰/蔡侑玎(韓国)48分
【男子シングルス】
▼準々決勝
クンラビット・ビティサラン(タイ)②〔21−12、21−10〕0●石宇奇(中国)43分
リー・ジジャ(マレーシア)②〔21−17、21−15〕0●アンダース・アントンセン(デンマーク)53分
ラクシャ・セン(インド)②〔19−21、21−15、21−12〕1●周天成(台湾)76分
ビクター・アクセルセン(デンマーク)②〔21−9、21−17〕0●ロー・ケンイゥ(シンガポール)49分
▼準決勝(8月4日)
クンラビット・ビティサラン(タイ) ― リー・ジジャ(マレーシア)
ラクシャ・セン(インド) ― ビクター・アクセルセン(デンマーク)
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取材/バドミントン・マガジン編集部
写真/Getty Images