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【佐賀インターハイ2024】柳井商工が接戦制して春夏8季連続の全国制覇!<女子団体>

バドミントンのインターハイ(全国高校総体)が、佐賀県の佐賀市と吉野ヶ里町で開幕。競技2日目の8月1日は、男女ともに団体戦の準々決勝から決勝までが実施された。ここでは、柳井商工が優勝した女子のダイジェストをお伝えする。

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【女子ダイジェスト】

優勝が決まり、砂川温香(右)に駆け寄る柳井商工のメンバー

大会2日目に残った8校は、過去に一度はインターハイ優勝実績のある伝統校・名門校ばかりだ。いずれ劣らぬドラマを見せてきた精鋭チームによる準々決勝。そのなかでもっとも白熱したのは過去3年間、準優勝のふたば未来学園(福島)と、昨年ベスト8の四天王寺(大阪)の対戦だった。

5試合すべてがファイナルにもつれる大接戦。単複それぞれ1-1と星を分け、勝負の行方は第3シングルスの1年生対決に委ねられた。ふたば未来のほうは、U19日本代表でもある畠山想来。こちらに分があるかと思いきや、「相手がナショナルメンバーだったので、向かっていく気持ちで戦いきれた」という小林茉央が逆転勝ちを収め、四天王寺がベスト4入りを果たした。

準決勝の相手は、インターハイ4連覇を狙う柳井商工(山口)。準々決勝では聖ウルスラ学院英智(宮城)に第2ダブルスを奪われながらも、3-1で勝ち上がっていた。選抜の雪辱も果たしたい四天王寺だったが、ダブルス2つはいずれもファイナルにもつれた末に柳井商工に軍配。3勝目は選抜個人シングルス準優勝の白川菜結が挙げ、4度目の「春夏連覇」を懸けた決勝の舞台に駒を進めた。

反対の山から勝ち進んできたのは、2004年から07年までインターハイ4連覇を果たした経験のある青森山田(青森)。準々決勝で開催県代表の佐賀女子を3-0で退け、準決勝では埼玉栄(埼玉)にダブルス2敗からのシングルス3連勝で競り勝った。そのシングルスを戦ったのは、選抜個人シングルス覇者の平本梨々菜、そして、キャプテンでもある横内美音。平本と横内は単複の柱だが、この準決勝の接戦が決勝の行方を左右したかもしれない。

柳井商工の宮崎友花。超高校級プレーヤーの実力と存在感は、チームにとって非常に大きかった

決勝は選抜と同じく、柳井商工と青森山田というカード。今回の柳井商工には、選抜時に海外遠征で不在だった日本A代表の宮崎友花が加わり、青森山田にもまた当時、体調不良で戦えなかった横内が戻った。ベストメンバーの激突は期待を裏切らない熱戦に。ダブルス2つと第1シングルスが同時にスタートし、ダブルスで青森山田が2勝、シングルスは柳井商工の白川が1年生の浅野真央を退けた。

こうして青森山田が王手をかけたが、次に決着した第3シングルスでは宮崎が8本、13本で横内に快勝。これで2-2のタイとなる。この時点で第2シングルスは、青森山田の平本が砂川から第1ゲームを奪っていた。身長171cmの平本が149cmの砂川をそのまま押しきるかと思われたが、砂川は第2ゲームを一方的に奪い返すと、ファイナルゲームも前半11-6とリードを広げた。準決勝で単複ともにファイナルの接戦を強いられた平本には疲労の色が濃くなり、ミスが目立ち始める。それでもなんとか差を縮めようと食い下がったが、砂川のスタミナがまさった。

2021年の春から続く、8季連続の全国制覇。その底力を見せつけたクライマックスだった。

選抜に続いて、チームの優勝を決めた柳井商工の砂川温香。心身ともに、さらに逞しくなった姿を披露した
単複の柱として最後まで全力を尽くした、青森山田の平本梨々菜(後方はパートナーの工藤彩歩)

 

【優勝コメント】

竹光唯至 監督

「選抜には出場できなかった宮崎が戻ったことで毎回、相手チームにはプレッシャーをかけることができたと思います。総合力の面でも、大会前ギリギリにメンバー変更をしたほど実力の拮抗した選手が揃っています。そういうなかで練習をしているので、競り合いには強いという自負がありますね。気持ちを強く持って、ねばり強く足を運ぶのが自分たちの強みなので、今日の決勝のような状況でも砂川の足は最後まで止まることがなかったですし、練習と準備の成果が出たと感じています」

砂川温香 主将

「春夏で8連覇という数字にはなりますが、このチームでの初の全国優勝という意味で新鮮な気持ちもあります。決勝は、ダブルスで負けて最後は私のシングルスで勝ち負けが決まるという状況になり、本当にキツい場面もありました。でも、トレーニングも練習も、どこよりもやってきたという自信があったし、応援も力にすることができました。メンバーだけじゃなく、サポートしてくれる人たちとみんなで一緒に優勝するんだという思いが大きかったんだと思います」

優勝:柳井商工
準優勝:青森山田
3位:四天王寺
3位:埼玉栄

【結果】(1日)

■準々決勝

柳井商工(山口) 3−1 聖ウルスラ学院英智(宮城)

四天王寺(大阪) 3−2 ふたば未来学園(福島)

埼玉栄(埼玉) 3−0 九州国際大付(福岡)

青森山田(青森) 3−0 佐賀女子(佐賀)

■準決勝

柳井商工 3−0 四天王寺

大津妃奈乃/中原心優②〔15−21、21−19、21−18〕1●玉木亜弥/米本宙那

砂川温香/長廻優茉②〔21−9、16−21、21−18〕1●山中杏哩/小林茉央

白川菜結②〔21−7、21−11〕0●池田美和

宮崎友花 〔21−18、0−0、打切り〕 神尾朱理

 

青森山田 3−2 埼玉栄

平本梨々菜/工藤彩歩●1〔20−22、21−16、15−21〕②高津愛花/上野凛

横内美音/石川乃乃葉●1〔19−21、21−6、18−21〕②榎本紗楓/八嶋未來

東谷悠妃②〔21−15、21−7〕0●阿部果凛

平本梨々菜②〔21−19、14−21、21−10〕1●高津愛花

横内美音②〔21−15、21−12〕0●上野凛

■決勝

柳井商工 3−2 青森山田

砂川温香/長廻優茉●0〔17−21、12−21〕②横内美音/石川乃乃葉

大津妃奈乃/中原心優●0〔16−21、19−21〕②平本梨々菜/工藤彩歩

白川菜結②〔21−17、21−17〕0●浅野真央

砂川温香②〔18−21、21−7、21−14〕1●平本梨々菜

宮崎友花②〔21−8、21−13〕0●横内美音

取材・文/山口奈緒美

写真/菅原 淳

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