パリ2024オリンピック・バドミントン競技の3日目は、各種目の予選リーグが行なわれた。現地時間午前のセッションでは、女子ダブルスの志田千陽/松山奈未が2勝目を挙げ、ベスト8以上を確定。また、夜のセッションでは男子ダブルスの保木卓朗/小林優吾、混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗が予選リーグ2試合目に臨んだ。
志田/松山は、世界ランキング19位のインドペアに21-11、21-12と快勝。2日前の初戦は「すごく緊張して、自分が全然ダメだった」と話していた志田は、この試合では落ち着いて上からの強打をいいコースに打ち、前衛の松山のフィニッシュを導いた。次戦は、グループリーグの山場となる韓国の金昭英(キム・ソヨン)/孔熙容(コン・ヒヨン)と対戦する。金/孔は東京オリンピック銅メダリストの実力者だが、金のケガなどもあり、最盛期よりも調子を落としていた時期もあった。志田/松山は、2勝4敗ながら直近の対戦となった2023年のワールドツアーファイナルズでは勝利。松山は「嫌なイメージはない」と言い、グループ1位通過をねらう。
保木/小林は、世界ランキング46位のアメリカペアに、33分の快勝。次は現地時間30日に、中国の劉雨辰(リュウ・ユチェン)/欧烜屹(オウ・シュァンイ)とリーグ2勝目をめざして戦う。劉雨辰/欧烜屹とのこれまでの対戦成績は2勝2敗と互角ながら、2023年の国別混合団体戦スディルマン杯では、マッチポイントを奪いながら逆転負けを喫した因縁の相手。「この大事な一戦で勝って自分たちの殻を破りたい」(小林)と意気込んだ。
混合ダブルスの渡辺/東野の予選リーグ最終戦はファイナルゲームにもつれる激闘になった。東京五輪の銅メダルマッチでも戦った鄧俊文(タン・チュンマン)/謝影雪(ツェ・イエンスエット/香港)に対し、ファイナルゲーム序盤に0-4とリードを奪われる苦しい展開だったが、サービス回りから積極的に仕掛けて追いつくと、11-9でインターバル。終盤まで続いた競り合いを制して、予選グループ首位通過を決めた。
試合後には決勝トーナメントの抽選が行なわれ、渡辺/東野は準々決勝ではグループB2位のデチャポル/サプシリー(タイ)との対戦が決定。これに勝利すると、準決勝ではグループA1位の鄭思維(ツェン・シーウェイ)/黄雅瓊(ファン・ヤーチョン/中国)とグループD2位の馮彦哲(フォン・イェンジァ)/黄東萍(ファン・ドンピン/中国)の勝者と対戦することになる。中国の第2シードが予選リーグで敗れた波乱の影響もあり、厳しい組み合わせになったと言える。
【女子ダブルス】
志田千陽/松山奈未(日本)②〔21−11、21−12〕0●ポンナッパ/カストロ(インド)44分
【男子ダブルス】
保木卓朗/小林優吾(日本)②〔21−11、21−12〕0●チュウ/ユァン(アメリカ)33分
【混合ダブルス】
渡辺勇大/東野有紗(日本)②〔21−17、14−21、21-18〕0●鄧俊文(タン・チュンマン)/謝影雪(香港)66分
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/Getty Images