7月20日、パリオリンピック・バドミントン競技(フランス/アリーナ・ポルト・ドゥ・ラ・シャペル)に出場する日本代表が、決戦の地であるフランス・パリへ出発した。ここでは、出発前の囲み取材に応じた選手たちのコメントを紹介する。
保木卓朗(左)/小林優吾
(トナミ運輸)
――出国前にした今の気持ちは?
保木 いよいよだなと、やっと実感が沸いてきました。
小林 ここまで調整を頑張ってきたので、現地での体調管理をしっかりやりたいと思います。
――公式ウェアで出国するのは、いつもと違う雰囲気を感じるか
保木 いつもの海外遠征を同じ感じかなと思っていましたけど、空港に入ったときから違う。チェックインの作業一つでも、オリンピックの特別感があります。国旗をつけている重みもありますけど、プレッシャーに感じるのではなく、人生の経験だと思って楽しんでいきたいと思います。
小林 日の丸を背負って、日本を代表する自覚が少しずつ出てきました。日本代表選手らしく行動できればいいなと思います。
――最終合宿の期間中に組み合わせが決定。カギとなる試合は?
保木 (出場ペア数)16組で予想していたところが、17に変わって、1つ5組のグループができることになり、自分たちが何とかそこに入らなければいいのかなと思っていたのですが、見事にそこに入って……。中でも1から9までの世界ランク(1ケタ)の4つが同じ組に入る、なかなかおもしろい組み合わせになりました。でも、サッカーのワールドカップでも、日本は(強豪の)ドイツとスペインと同じ組になって厳しいと言われましたけど、その中でもしっかり勝ち上がって決勝トーナメントに進んでいた。自分たちも厳しいリーグにいますけど、そこを抜けることで拓ける景色があると思う。何とかこじ開けていけるように頑張りたいです。
小林 ここは嫌だなと思ってしまいながら見ていたら、やっぱり、そういうところに入った。イレギュラーなところに、しかも、こんなに(強豪ペアが)入る? と思いましたが、途中からは(年末の)ワールドツアーファイナルズみたいだなと思って、これだけ強い選手とたくさん試合をできるのは、逆に運がいいかもなと捉えるように気持ちを切り替えました。出だしの1試合目、2試合目が、自分たちには大事。いつも1回戦で調子がよいときは、そのまま波に乗れることが多い。1試合目で、自分たちの実力を発揮すること。勝っても負けても、あきらめずに何回も挑戦する気持ちが大事だと思います。
――五輪は、他競技も同時開催。興味のある競技や選手は?
保木 ナショナルトレーニングセンターでも他競技の選手とすれ違うのですが、なかなか話す機会はありません。選手村で話せればと思います。自分は山口県柳井市の出身で、バスケットボール男子の河村勇輝選手が同郷。まだ1回も話したことがないので、1回話せたらいいなと思います。バスケットボールは、最近、注目度も高い。そういう選手たちの雰囲気や力をもらって、一緒に頑張っていけたらいい。
小林 五輪は初めてですし、いろいろな競技のスター選手に会えるのではないかと期待しながら、自分もリラックスして、やるところはやるという気持ちの切り替えをできればいいかなと思います。
――試合までに詰めていきたいところは?
保木 直前合宿で自分たちの調整はできたと思う。あとは現地で体育館の雰囲気、風の影響を考えながら、どういう戦略でいけばいいか、向こうで詰めていければと思います。
――あらためて、五輪に向けた意気込み
保木 なかなか厳しい、そしておもしろい組み合わせだと思うので、その中で自分たちの次なるステージを拓けるようしたい。まずはグループステージを頑張って、その先に史上初のメダルが見えてくると思う。そこを最大の目標として、頑張っていきたいと思います。
小林 こういう(厳しい)組に入ったのは、運命だと思う。この組を抜けて、メダルまでの道をしっかりとめざせたらいいと思います。
取材・構成・写真/平野貴也