7月20日、パリオリンピック・バドミントン競技(フランス/アリーナ・ポルト・ドゥ・ラ・シャペル)に出場する日本代表が、決戦の地であるフランス・パリへ出発した。ここでは、出発前の囲み取材に応じた選手たちのコメントを紹介する。
西本拳太
(ジェイテクト)
――いよいよ出発。国旗や五輪マークを背負う重みを感じるか
公式ウェアに袖を通して、緊張感が高まっています。(国旗を背負う)気持ちが、その要因なのだろうと思います。
――グループリーグの組み合わせに対する感想は?
自分がグループのシードを持っていて、そこに誰が入ってくるかという状況でしたが、一発勝負。しっかりと足下を見て、一つひとつの試合に向けて準備したいです。グループリーグで戦う2人との試合は、(突破に向けて)どちらが鍵になるかというよりも、自分との勝負になると思います。
――前回の東京五輪では、桃田賢斗選手がグループリーグで敗れる波乱があった。その中でブライアン・ヤン選手(カナダ)は厄介な相手では?
自分よりランキングが上の選手に立ち向かっていく試合もあれば、それとは逆の立場もある。ランキングは関係なく、その日の一発勝負でどう勝つかを心に留めて準備したいです。インドの選手(ラクシャ・セン)も(同組に入る)可能性がありましたし、それくらいの選手が1人は入ってくるんじゃないかと思っていました。そういったことも含め、気持ちの面でも、戦術面でもいろいろなパターンを準備することが勝ちにつながると思っています。
――あらためて、五輪はどんな舞台か
出場権を取ったのが初めてなので「念願」という言葉が、一番合うのかなと思います。ここからが本当の勝負。自分を仕上げて、人生をかけたいと思います。
――ダークホースになりたいと話しているが、五輪への意気込みを
初めての五輪で、雰囲気も含めて、その場に立ってみないとわからないことはあると思います。ここまで、しっかりと準備をしてきたので、ここからさらに仕上げて、金メダルをめざして、ダークホースになりたいと思います。
――試合の日まで、どう過ごしていきたいか
試合中、苦しい場面は絶対に出てくる。そこで、自分がどういうバドミントンをするか、相手に対して嫌なバドミントンをできるか。それを考えて、残りの1週間、準備をしたいです。(五輪で)特別なのを特別だと思わないのは、難しいと思う。特別であることを受け入れて、独特な緊張感も、この出場権を得ない限り体験できないこと。その中でどうやって勝ちにつなげるか。自分が進化する意味でも、その場を逃げずに戦いたいです。
取材・構成・写真/平野貴也