国内のランキング上位選手が集う日本ランキングサーキット(5月25日~29日/サイデン化学アリーナさいたま)。大会3日目の27日は、各種目の準々決勝が行なわれた。ここでは、ダブルスのコメントを紹介する。
【男子ダブルス】
山下恭平(右)&緑川大輝
(NTT東日本)
準々決勝:井上誠也/川邊悠陽(日立情報通信エンジニアリング)に2-0で勝利
山下「高身長の相手ペアに対して自分たちは引かずに、出だしからついていけた。そのことで2ゲームとも、途中から抜け出せたと思います。緑川のサービスからいい形でラリーになれば、ポイントを取れる自信があった。もちろん優勝が目標ですが、まずは明日。自分たちのプレーができるように、気持ちと体を整えて、しっかり準備します」
緑川「後輩が相手ということで、最初は緊張して硬くなった部分もありました。それでも途中からはミスが減ってきて、よい形で攻め続けられました。ここまでいい調子で勝ってきたので、この勢いを持続して、まずは明日の準決勝。その先を見ずに、集中していきたいです」
相澤桃李(左)&佐野大輔
(ジェイテクト)
準々決勝:西田陽耶/目崎駿太郎(トナミ運輸)に2-0で勝利
相澤「S/Jリーグの最後に勝った相手でしたが、団体戦と個人戦は別物。また挑戦者として戦うと決めて試合に臨みました。スピーディーに二人で回ってアタックするという、自分たちの持ち味が要所で出せた。全体的に、攻めている時間が長かったので、相手にプレッシャーを与えられたと思います。自分はランサー初出場。優勝したい気持ちはありますが、あくまでもチャレンジャーとして明日もプレーします」
佐野「S/Jリーグで勝った相手に、2回続けて勝ってこそ本物だと思っていました。自分のプレー自体はそれほどよくなかったけど、結果的に勝てたのは自信につながるかなと。自分はランサーでは初めての準決勝進出ですが、やるしかない!…という気持ちで、明日も挑んでいきたいと思います」
【女子ダブルス】
加藤佑奈(左)&廣上瑠依
(再春館製薬所)
準々決勝:山藤千彩/志波寿奈(広島ガス)に2-0で勝利
加藤「まずは(一番大事な仕事である)前衛だけに集中して臨んだ。そうしたら、一気に点差が開いて、相手のペアが機能しないまま試合が終わった。明日も自分の仕事に集中して、相手の好きな展開にさせないプレーをしたい。海外では力を出しきって終われた大会もあるけど、国内ではそれがない。二人それぞれの課題に取り組む部分を徹底して、最後までやりきりたい」
廣上「毎日、風が違う。今日は、横風が強かった。練習から、その特徴をどう使って相手のミスを誘うか考えてプレーできたのがよかった。A代表の先輩たちが代表活動を終えていく時期で、この大会は(次世代の)若手の一番を決める大会と思っている。目標の4年後に向けて、いまはそれぞれの力をつけたいと思っているので、準決勝も自分の課題に向き合ってプレーしたい」
今井優歩(左)&齋藤夏
(YAMATO奈良/ACT SAIKYO)
準々決勝:大澤佳歩/田部真唯(BIPROGY/山陰合同銀行)に2-0で勝利
今井「相手には、攻撃力があるとわかっていた。なるべく上げない展開がうまくできて、相手が先にミスしてくれた。二人での大会前の練習は3日だけだけど、3試合やってきたなかで、修正点も見えている。特に(相手や環境によって)ローテーションで、どちらが後ろがいいかというのがあるので、ねらう形に入りやすい配球を使いながら準決勝も戦いたい」
齋藤「普段とは違うパートナーと組むことで、自分の課題が見えてくる。前衛での攻撃力は課題なので、2種目(混合複でも4強進出)ともパートナーに助けてもらいながら、意識して取り組んでいる。今大会は風の対応が大変で、相手のことまで考えるのが難しいけど、そのなかで自分たちが何を徹底して臨むか、話し合いながら準決勝も戦いたい」
【混合ダブルス】
下農走(右)&大澤陽奈
(金沢学院クラブ/ACT SAIKYO)
準々決勝:山澤直貴/曽根夏姫(コンサドーレ/北都銀行)に2-1で勝利
下農「今日は1ゲーム目の入りで、あまりスピードに乗れていなかった。そこで相手有利の展開になってしまったのですが、二人で足を動かすことを第一に考えて立て直しました。明日からが、また大事な勝負。最初からリードして、相手にプレッシャーをかけていきたい。自分自身、混合2連覇の意識はしていないが、去年優勝しているので、ちょっとしたプライドを持って臨みたいと思います」
大澤「1ゲーム目は、自分が張るところをミスして展開をつくれなかったのですが、2ゲーム目からは自分で何をすべきかを整理し、下農選手にカバーしてもらって戦いました。今大会、全試合、挑戦者の気持ちを持って臨んでいるので、明日もその気持ちを忘れずに向かっていきたいと思います」
大関修平(右)&齋藤夏
(大同特殊鋼/ACT SAIKYO)
準々決勝:吉田翼/関野里真(日本体育大)に2-0で勝利
大関「自分が足を引っ張らないように、しっかり動いて最低限のことをやろうと思っていました。ミスも少なくなかったですが、自分なりにきっちりできたと思います。ペアを組むのは初めてですが、(二人の出身校の)埼玉栄の強い系譜で戦おうと。明日も向かっていく姿勢で頑張ります」
齋藤「大関先輩に打ってもらうために、前でチャンスをつくることを考えました。ただ、私自身がもっと動けていたら、きつい場面も少なかったのではないかと…。コンディションは、いいほうだと思います。明日も自分のやるべきことをやって、相手に向かっていきます」
取材・文/バドミントン・マガジン編集部、平野貴也
写真/黒崎雅久