パリ五輪出場が内定している渡辺勇大/東野有紗らが所属するBIPROGYが、5月10日、東京都江東区の有明スポーツセンターで公開練習を行なった。
男子11選手、女子9選手のチーム全員が練習に参加。選手紹介、フォトセッションのあとに、約1時間半、練習を行なった。ストレッチやウォーミングアップのあとの種目別の練習では、パリ五輪出場が内定している渡辺/東野は、同じく混合ダブルスの日本代表の金子祐樹/松友美佐紀と同じコートに入って打ち合った。
BIPROGYは、昨年、女子が6月の全日本実業団に続き、S/Jリーグも制して2冠と充実したシーズンだった。また男子も、一昨年にTOP4進出を逃したS/Jリーグで3位に入り、団体戦での王座奪還に向けて手応えを残す結果だった。
一方、個人戦でも女子シングルスの杉山薫が全日本総合で初優勝するなど、若手選手の台頭もあった。その杉山は、5月25日から埼玉県さいたま市で開催される日本ランキングサーキットでは優勝候補の一角となる。また、2年ぶりの優勝をめざす女子ダブルスの大竹望月/髙橋美優も、日本代表復帰に向けて試金石となる大会だけに、注目が集まる。
公開練習後には、渡辺/東野が囲み取材に対応。パリ五輪に向けて、現状のコンディションや意気込みを語った。
――パリ五輪まで、あと2カ月。今の気持ち、コンディションは
東野 状態はとてもいいと思います。少し試合がなかったぶん、たくさん勇大くんと練習を積めましたし、個人練習に関しても十分できています。いい練習ができているかなと思います。
渡辺 日本にいる時間を大切にしながら、自分たちのレベルアップというところに重きをおいて練習ができていると思います。これがどれだけ試合に生かせるかという部分では、すぐにシンガポールOP、インドネシアOPがあるので、自分たちがどれだけレベルアップしているか、練習してきたところが通用するかというところの再確認ができる、いい機会だなと思っています。
――現在、個々の練習で取り組んでいること、大事にしている部分は
東野 私は前衛での選択肢を増やして、そのクオリティーを高める練習に取り組んでいます。例えば、いつもはプッシュで押し込んで決め切るところを前に落としたり、相手の足を止めるようなことをしたり。
渡辺 僕は精度のところです。なんでもない球に対して、そつなく四隅を突けたりとか、後ろまで球を運べたりとか、ミスしないように…っていう一つひとつの質の部分です。ゲーム全体で見たときにもったいないミスをしないとか。実際に調子がいいときは、その精度によって、相手を追い込めたという事実もあります。それを、調子がいいから出せるということではなく、スタンダードに出せるように精度を高めていくための練習です。
――パリ五輪に向けて、意気込みを
渡辺 いよいよだなという気持ちもありますし、あまり肩の力を入れすぎず、リラックスした状態で、楽しんでプレーできるようにというのは心がけています。練習からしっかり試合のイメージを持って、金メダルを取りにいくという姿勢で、日々を過ごしたいなと思っています。
東野 あと残り少ない日数になりますが、今できることをしっかり取り組んで、東京五輪での悔しさをパリで晴らせるように、金メダルを取れるように頑張っていきたいです。
取材・文&写真/バドミントン・マガジン編集部