5月5日に開催された世界国・地域別対抗戦BWFトマス杯&ユーバー杯2024(中国・成都)最終日は、男子のトマス杯決勝戦が行なわれた。
地元優勝をねらう中国か、それとも2大会ぶり15回目の頂点に挑むインドネシアか。総合力ともに世界トップの2チームが激突した決勝戦。まず、先制ポイントをつかんだのは中国。第1シングルスの石宇奇(上写真)が、アンソニー・S・ギンティンに主導権を握らせず、第1ゲーム17本で奪う。第2ゲームも、ギンティンの強打を封じながら的確にスマッシュやカットを決めた石宇奇が、16本に抑えて白星をつかんだ。
第1ダブルスは、中国の王昶(ワン・チャン/上写真・右)/梁偉鏗(リャン・ウェイカン)とインドネシアのアルディアント/アルフィアンの勝負。ドライブ戦から豪打を叩き込む中国ペアが先制するも、第2ゲームはスピードと巧みな駆け引きでペースを崩したインドネシアペアが、21-17で取り返す。ファイナルゲームに入っても、両ペアが引かずに持ち味をぶつけあう展開。スコアも競り合ったが、終盤はアルディアント/アルフィアンが、中国ペアのサービスに揺さぶられリズムを崩す。逆にラリーの先手を奪った王昶/梁偉鏗は、16-17から5連続得点で逆転勝利。中国が2-0で優勝に王手をかけた。
中国にとっては、2連勝の勢いで第2シングルスを取りたかったが、インドネシアはエース格のジョナタン・クリスティが登場。中国の李詩灃(リ・シフェン)も、地元の声援を受けて攻撃的を仕掛けるも、ペースを掌握したジョナタンが第1ゲームを21-16で奪う。第2ゲームは、互いに譲らぬ勝負を李詩灃が制してファイナルゲームに入ったが、後半は経験豊富なジョナタンが先行。18-16から引き離したジョナタンが勝利をつかんだ。
これでインドネシアに流れが変わったかに見えたが、地元ファンの前で負けられない中国が、底力を発揮。第2ダブルスに起用された何濟庭(ヘ・ジティン)/任翔宇(ルン・シァンユ/上写真・左)が、インドネシアのマウラナ/フィクリに得意のドライブ戦で圧倒。第1ゲームは11本、さらに第2ゲームも、中盤以降は主導権を握り、21-15で勝利。中国がライバルのインドネシアを3-1で破り、地元で世界一の栄光をつかんだ。
▼決勝(5月5日)
中国 3−1 インドネシア
MS1 石宇奇②〔21−17、21−16〕0●アンソニー・S・ギンティン43分
MD1 王昶/梁偉鏗②〔21−18、17−21、21−17〕1●アルディアント/アルフィアン64分
MS2 李詩灃●1〔16−21、21−15、17−21〕②ジョナタン・クリスティ77分
MD2 何濟庭/任翔宇②〔21−11、21−15〕0●マウラナ/フィクリ38分
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