4月9日にアジア選手権(中国・寧波)が開幕。大会2日目が行なわれた4月10日は、各種目の本戦1回戦が実施され、日本代表選手も登場した。ここでは、試合を戦った選手のコメントを紹介する。
【選手コメント】
初日/4月9日
保木卓朗&小林優吾
奥原希望
女子シングルス1回戦:アン・セヨン(韓国)に1-2で敗戦
――試合を振り返って
すいません……。いろんな思いがあって……。ヨーロッパ遠征から帰ってきて、とにかく、この1試合に集中してきました。最後の最後まで悔いなく戦うことができたかなと思うんですけど……(最終ゲーム、14-17の)サービスミスだけが、すごく悔いが残る試合だったというのが、今の思いです(苦笑)。
――今の涙は、どういう気持ちか
本当に勝ちにこだわった試合。最後、手が届かなくて悔しさはありますけど、悔しいだけでなく、やり切った達成感と、支えてくれたり、応援してくれたみんなに感謝する思いと、でもやっぱり、ここまで折れずに、耐えて耐えて、頑張ってこれたことを誇りに思う気持ちです。
――試合は非常にタフな展開だった
本当に苦しくて。でも、昨日言ったように、心は苦しくならず、ハードな中でも駆け引きを楽しみながらバドミントンができた。90分、すごい幸せな時間でした。
――会場中からは声援があった
もっとアウェーになるのかなと思っていましたが、皆さんが温かく見守ってくれて、声援もしてくれた。ありがたかったです。
――第2ゲームを奪い返した時は勝機を感じた
そこで勝ちを見てしまった時に、イージーなミスが出てしまって。目の前の一球に集中しようと気持ちを切り替えました。2ゲーム目の途中から足が止まりそうでしたが、何とか最後まで戦えて、自分の根底の強さを出せたと思います。
――五輪レース最終戦まで戦い切った
今までは、自分の気持ちの強さで全部乗り越えてきましたが、今回は自分が挫折しそうな時もたくさんの人に支えられて、一人の力ではここまでこれなかった。本当に、みんなに支えてもらったパリへの道だったと、あらためて思います。
――やり切れたか
相手にならないかも…という不安がありながらの試合。どこまでできるか、わからなかったですけど、(昨年8月の)世界選手権よりは戦うことができた。(自分にとって)五輪レースのスタートだった世界選手権よりは、パワーアップして、成長して、レースを終えることができた。今は満足しています。
――長かったパリ五輪へのチャレンジが終った。今後については?
あまり先のことは考えていなかったですが、今年のユーバー杯はターゲットにしている部分。レースが終わっても、気持ちは切らさずに、チーム戦に向けて挑みたいという思いはあります。私もいつまで代表として出られるかわからないので、自分の中でも(国際大会の団体戦は)ラストチャンスというイメージ。次にオリンピックがある人、ない人で、少し意識の差は出るかもしれませんが、ユーバー杯は、やっぱりもう一度取りたいタイトル。オリンピックの道は途絶えましたけど、気持ちを切らせるつもりはないですし、歩みを止めるつもりもまったくないです。
取材・写真
平野貴也
構成
バドミントン・マガジン編集部
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