4月9日にアジア選手権(中国・寧波)が開幕した。4月末までの五輪レースも佳境に入り、ボーダーライン上にいる選手にとっては一つでも多くの勝ち星をつかみたい状況。大会初日は各種目の予選が実施されており、本戦から登場する日本選手は会場で練習を行なった。ここでは、練習後の取材に応じた選手たちのコメントを紹介する。
男子ダブルス
保木卓朗(左)/小林優吾
――今大会は五輪レースの最終戦。二人は出場が確実になったが、今後はシード争いもあり、重要な一戦となる
保木 まだ世界ランク6位で、もう2つあげないと(第4)シード権は取れない、という状況です。ただ、そこばかり見過ぎても結果はついてこないと思う。一大会ずつ、しっかりと自分たちのパフォーマンスを出せれば、おのずと結果がついてくると思って頑張りたいです。
小林 自分たちのいいときは、次の試合をどうするかと(集中して)見ているときが、一番勝てる。優勝をめざす中でも、1試合1試合のクオリティをしっかりと上げていきたいです。
――現在のコンディションは?
小林 試合数が多かったので(3月の欧州遠征後は)、少し休む期間に充てました。だから、(調子を上げた状態の)欧州遠征前に比べると、普通のコンディションに戻っている感じです。今回は、動き(の質)だけでなく、技術面で勝負してみたい気持ちがあります。欧州遠征では、動きのスピードに自信があって、いい展開にできていました。それと同じコンディションまで戻すのは難しかったので、(今回は)横並びの展開が増えるかもしれないと思っています。
保木 常にいいパフォーマンスが出せるわけではないので、今の二人の状況で出せるプレーをやれるようにしたいです。できないことは理解してカバーすればいいし、途中から調子が上がれば、そこでやればいい。試合の中で変化に合わせてできれば、コンスタントには勝てると思います。フランス、全英の遠征が終わり、少しチームでゆっくりする時間がありましたが、アジア選手権は大事な大会。五輪レースのラストになりますが、一番上をめざして頑張りたいです。
――会場の雰囲気、感覚は?
保木 中国特有の広さは感じます。あとは、シャトルに少し苦戦しています。今までの大会がヨネックス製で、今回はビクター製。いつもと感覚が少し違う気がするので、そこを早く慣れるのが大事かなと思います。
小林 少し風がある感じはしますが、気にするほどではないと思います。今回は代表合宿がなかったので、事前にビクター製のシャトルに慣れる期間がなく、やってみてから“しばらく使っていなかったな”と思いました。
――代表合宿がなくなったことの影響を感じる?
保木 初めてなので戸惑いはあると思いますが、これが続くことによって、いつかはそれが当たり前になっていく。シャトルの問題は、選手が各自で準備することも必要かなと思うので、そこは今後の課題だと思います。チームでの調整は、全員が平等にコートを使う代表練習よりも自分たちの都合を優先してできる部分もある。(一長一短があるので)どちらでもいいのかなと思います。
――明日からの本戦に向けての意気込み
保木 昨年はベスト4。まだ決勝にいけていないし、日本では遠藤大由/渡辺勇大ペアが過去(2019年)に優勝していますが、その次に自分たちが優勝できるように頑張りたいです。
小林 長かった五輪レースの最終地点。ここで結果を残すこと、そして最後まで2人ともケガをせずに頑張っていきたいと思います。
取材・構成・写真/平野貴也