3月15日に開催されたBWFワールドツアー・全英オープン(バーミンガム・Super1000)4日目は、各種目準々決勝が行なわれた。ここでは、試合を終えた選手たちのコメントを紹介する。
【コメント】
4日目(3月15日)
3日目(3月14日)
2日目(3月13日)
初日(3月12日)
櫻本絢子(右)/宮浦玲奈
女子ダブルス準々決勝:マレーシアのタン/ティナーに2-1で勝利
――全英OPでベスト4に進出
櫻本 1、2回戦、準々決勝ともファイナルゲームで制していますが、出だしが悪かったり、自分たちの流れに持っていけない中でも、2ゲーム目から2人で話し合って、修正することができているのがすごくいい。全英という舞台を、2人で思いっきり楽しめている感覚がすごくあります。
――厳しい球にも飛び込む場面が多い
宮浦 シャトルが落ちるまで諦めない気持ちが、次のラリーの流れにつながると思っています。取れなかったとしても、相手には“そこまで諦めずにやってくるんだ”というプレッシャーも与えられる。そういうプレーが大事だと思って、プレーしています。
――第1ゲームは一方的にやられてしまった。どう立て直したか
櫻本 後ろからの配球がよくなくて、自分のスマッシュが単調になっていました。それを相手にリターンされて、自分たちの穴を突かれるパターンがすごく多かったです。どうしようかと思いましたが、宮浦がすごく声をかけてくれたし、2ゲーム目も昨日みたいにもう一度立て直すことができた。後悔のないように、自分たちらしいプレーをしようって話して、そこから2ゲーム目はずっと「シンプルに、シンプルに」って声を掛け合いながらやれました。
宮浦 センターに角度のあるスマッシュを打たれてしまって。自分たちのポジションが下がり、相手も高い球とネット前に落とす球をうまく入れてきたので、上げることしかできなくなってしまいました。それでも、レシーブから頑張って攻めの展開につなげようとして、苦しくはありましたが、2人で我慢することができた。レシーブで頑張ったので、相手ももっと打とうとして体力がどんどん落ちていました。2人の頑張りやコンビネーションでうまく潰していけたかなと思います。
――初戦から、ファイナルゲームの試合が続いている
櫻本 1ゲーム目を取られても、昨日、一昨日と乗り越えている自信はすごくあります。でも、今は楽しむことがやっぱり大事。後悔するのが嫌なので、勝ち負けというより、自分たちらしいプレーを出せれば結果につながると信じています。まずは、自分たちの力を出しきろうという気持ちが強いです。
宮浦 我慢勝負を乗り越えているので自信にはなっていますが、毎回緊張だったり、ドキドキはしています。ファイナルゲームだからこそ楽しむのが大前提なんですけど、相手も(戦い方を)変えてきたりしてくるので、そういう場面でも2人で我慢ができていると思います。
――準々勝は志田千陽/松山奈未との対戦
櫻本 何度も対戦してますし、日本ペア同士だと手の内はわかっている。今日みたいに気持ちの部分の勝負になると思いますが、相手というよりも、自分たちがこの舞台を楽しむことが一番の目標。悔いのないように戦い抜きたいです。
宮浦 代表の合宿でも切磋琢磨してやっているので、悔いなくやりたいです。気持ちのぶつかり合いだと思いますが、まずは2人で楽しんで、いいパフォーマンスが出しきれるようにしたいです。
福島由紀/廣田彩花(右)
女子ダブルス準々決勝:韓国の李紹希/ベク・ハナに0-2で敗戦
――準々決勝も激闘だった
福島 チャンスもあった中で、最後に相手の方がうまく流れをつかんでいたかなと思います。自分たちもミスで流れを渡す場面も多かったので、そこがもったいなかったです。“少しでも長くコートに”、“最後まで”と思いながらやりきりました。
廣田 自分たちのいいプレーもありました。負けたのは悔しいですけど、最後まで諦めずに球は追えたかなと思います。
――試合をするたびに、守備範囲が広がっていた。この大会で得たものはあるか
廣田 3試合できたのが大きかったです。自分がどこまで動けるかのを確認できたし、試合でしかわからない感覚的な部分も、3試合をやりきる中でつかめたかなと思います。
――第2ゲームは前半にいい流れがあった
福島 リードした場面は、自分たちのやり方がうまくできていたと思います。ただ、途中から相手も少しやり方を変えてきた。そこのやり合いの中で、点数と流れが変わってしまったかなと思います。
――2回戦では長い試合をしていた。疲労やコンディション面はどうだったか
福島 めっちゃきつかったです。体はボロボロです。
――その中で、メンタルの部分はどう意識して臨んだか
福島 昨日(2回戦)は、最後のほうに試合が終わったのに、今日(準々決勝)は前半に試合となっていた。そこは仕方ないですし、コンディションをどうやって少しでも戻すかというのがすごく大事だとは思っていました。その中でも、いい試合だったかはわからないですけど、少しでも長く試合はしたいと思っていたので、それが少しはできたかなとは思います。
――不安を抱えながらフランスと全英を戦った。2大会の手応えや課題は?
福島 なんですかね……。そんなに作戦があるわけではないので、そこはみんなとはちょっと違う。正直、手応えとか課題に関しては、あまり求めてない。もう、やれることをやるだけです。
――レース最後のアジア選手権に向けて、これから成長できそうな部分などはあるか
廣田 今の自分の状況だと、トレーニングを積んで筋力でカバーしながら動くしかない。アジア選手権までは少し時間があるので、トレーニングを積んでいきたい。自分がねらわれるので、そこを頑張ってしのげば、どうにかチャンスも出てくると思う。福島先輩がすごくカバーしてくれるので、自分のできる範囲でミスなく、相手のコートに返すことが大事。あとは、いろんなコーチのアドバイスを聞きながら、自分たちの形じゃないですけど、今できるところで戦いたいと思ってます。
福島 廣田がこういうヒザの状態なので、ずっと単発で決められるわけではない。その中でもこれだけできるのは、今までやってきた自分たちのプレーだったり、コーチのアドバイスを聞きながら一緒に戦っているからだと思う。手応えというよりは、一緒に戦えているのが、自分たちにとっては大きい。自信とかではないですけど、信頼というか、そういうところで一緒に戦えているのが大きいです。
【結果】
ベースボール・マガジン社 販売部
(0120‐911‐410)
構成/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO、Getty Images