2月24日に国内最高峰のリーグ戦、S/Jリーグ2023・トップ4トーナメント決勝・3位決定戦が東京体育館で行なわれた。昨年11月に秋田と愛知で開幕したS＆Jブロックの上位2チームがトップ4に進出。23日の女子・準決勝は、再春館製薬所とBIPROGYがそれぞれヨネックス、北都銀行を下して決勝に進出。今季の日本一を決める決勝戦に挑んだ。ここでは女子決勝戦をダイジェストでお伝えする。
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【ダイジェスト】
再春館製薬所の2連覇か、それともBIPROGYが4年ぶりの優勝か――。
日本一を決めるトップ4トーナメント女子決勝は、第2ダブルスまでもつれる大接戦。第1ダブルスは、再春館製薬所がエースの志田千陽／松山奈未。BIPROGYも前日の北都銀行戦で松本麻佑／松山奈未を下している中西貴映／東野有紗で勝負に出る。
準決勝の後、「決勝のポイントは第1ダブルスになる」とBIPROGYの平山優監督が話していたが、日本代表4人がコートに立つ勝負の結果が、その後の戦いにどう影響するのか、両チームともわかっていたはずだ。再春館製薬所は、第1ダブルスを取ればシングルスの絶対女王・山口茜で締める勝ちパターンへ。対するBIPROGYは、第1ダブルスが勝てば、シングルスの杉山薫が負けても第2ダブルスの大竹望月／髙橋美優で白星をつかむ計算。結果を大きく左右する第1ダブルスに、会場の視線が集中していた。
男子決勝より先に始まった女子決勝は、志田／松山と中西／東野が第1ゲームから激闘を展開。速いアタックでポイントを重ねる志田／松山が第1ゲームを22-20で制すれば、第2ゲームはレシーブやドライブからチャンスをつくった中西／東野が19本で奪い返す。主導権のつかみ合いはファイナルゲームに入っても変わらず、1時間を超える熱戦を先に抜け出したのはBIPROGYの中西／東野。「今日みたいな展開は、気持ちの強さが大事。最後まで気持ちを切らさずに、絶対に勝つという気持ちが、相手より少し上回っていたと思います」（中西）と、疲労が目立った16オールから4連続得点。最後の21点も中西／東野がつかみ、BIPROGYが先制する。
この勝利で優勝に大きく近づいたBIPROGY。シングルスは再春館製薬所の山口が、BIPROGYの杉山を0-2のストレートで退けたが、第2ダブルスは大竹／髙橋がねばり強く戦う。第1ゲームこそ、廣上瑠依の体調不良によりペアを組んだ再春館製薬所の加藤佑奈／金廣美希が、どんどん前に押し込んで21-19で先制。しかし、第2ゲームは大竹／髙橋が落ち着いて攻撃展開に持ち込み21-16で取り返す。ファイナルゲームに入ると、どちらも気迫のラリーを繰り広げたが、9オールの競り合いから大竹／髙橋が4連続得点で13-9。BIPROGYにとっては、このリードが大きかった。その後も加藤／金廣が何度も点差を詰めてきたが、正念場の長いラリーで我慢強く戦った大竹／髙橋がリードを許さず。最後まで追走する再春館ペアを振り切った大竹／髙橋が21-18で勝利を飾り、大接戦を制したBIPROGYが見事リーグ優勝をつかんだ。
2019年以来、4年ぶりにS/Jタイトルを手にしたBIPROGYの平山監督は「本当にうれしいです。今季は全日本実業団も優勝できたので、タイトルは2つ目。どちらもギリギリの勝負で、余裕で勝った試合はほとんどなかったけど、選手たちは諦めない気持ちや緊張感がある中でも力を発揮することができていた。チーム戦の戦い方を、選手がわかっていたのが大きかったと思います」と、団体戦で勝負強さを見せた選手たちを称賛した。
一方、チームにとって初のリーグ連覇には届かなかった再春館製薬所の池田雄一監督は「（ペアなどの）オーダーに一切の後悔はないですし、第2ダブルスの加藤／金廣も、いきなり（優勝がかかった）あの場面に立った中で、よくやってくれたと思う」と、激闘の末に惜しくも敗れた二人の健闘を称えた。
▼決勝（2月24日）
BIPROGY 2-1 再春館製薬所
中西貴映／東野有紗②〔20−22、21−19、21−17〕１●志田千陽／松山奈未
杉山薫●０〔9−21、18−21〕②山口茜
大竹望月／髙橋美優②〔19−21、21−16、21−18〕１●加藤佑奈／金廣美希
S/Jリーグ2023最終順位
優勝
BIPROGY
（7回目※日本ユニシスの成績を含む）
準優勝
再春館製薬所
3位
ヨネックス
4位
北都銀行
5位
丸杉
6位
ACT SAIKYO
7位
広島ガス
8位
山陰合同銀行
9位
NTT東日本
10位
七十七銀行
11位
PLENTY GLOBAL LINX
12位
東海興業
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取材・文／バドミントン・マガジン編集部
写真／菅原淳