2月23日に国内最高峰のリーグ戦、S/Jリーグ2023・トップ4トーナメント&順位決定戦が東京体育館で行なわれた。11月に秋田と愛知で開幕したS&Jブロックの上位2チームがトップ4に進出。3位以下は、各ブロックの同順位チームと対戦する順位決定戦に挑んだ。ここでは熱戦となった男子のトップ4・準決勝のダイジェストをお伝えする。
【ダイジェスト】
トップ4の準決勝は、Sブロック1位のBIPROGYとJブロック2位のジェイテクト、Jブロック1位のNTT東日本とSブロック2位のトナミ運輸が激突した。
最初に決勝の切符を手にしたのは、BIPROGYから逆転勝利をおさめたジェイテクト。第1ダブルスはBIPROGYの渡辺勇大/小野寺雅之が2-0のストレート勝ちで先制したが、シングルスはジェイテクトの西本拳太が、BIPROGYの渡邉航貴から第1ゲームを奪う。続く第2ゲームは渡邉が21-19で取り返したが、ファイナルゲームはスピードを上げる西本がペースを掌握し、21-13で勝利。ジェイテクトが1−1のイーブンに戻した。
勝てば決勝が決まる第2ダブルス。ここで奮起したのがジェイテクトの相澤桃李/佐野大輔(上写真・右)だ。「ブロックリーグでは二人で組んだ経験が少なかったけど、よく頑張ってくれた」と平田典靖監督が振り返るように、ブロックでの出場はNTT東日本戦の1試合のみ。それでも、第1ゲームは相澤/佐野がBIPROGYの金子祐樹/三橋健也から先制ポイントを奪取すると、第2ゲームを取り返された後のファイナルゲームは、相澤/佐野が底力を発揮。日本代表の金子/三橋を21-18で制し、ジェイテクトが勝利。2年連続で決勝進出を果たした。
6連覇をめざすトナミ運輸は、日本代表を多く擁するNTT東日本との対戦。トナミ運輸はエースの保木卓朗(上写真・左)/小林優吾、NTT東日本は古賀輝/齋藤太一を第1ダブルスに起用し、序盤からA代表同士の対決に。ここで白星をつかんだのは、保木/小林だ。「第1ダブルスの勝利がすべて。チームが勝つには、ホキコバが勝つことが大前提だった」という荒木純監督のねらい通り、第1ゲームは保木/小林が22-20で先制。第2ゲームは古賀/齋藤がねばり強く戦い18本で制したが、最終ゲームは保木/小林が落ち着いた球回しから攻撃の主導権を握って21-13で勝利。トナミ運輸がNTT東日本にプレッシャーをかける。
シングルスも、トナミ運輸・常山幹太とNTT東日本・桃田賢斗のA代表対決。簡単には負けられない勝負は、桃田が意地の勝利で第2ダブルスにつなぐ。第1ゲームこそ常山が先制したが、第2ゲームを桃田が17本で奪うと、ファイナルゲームも桃田が先に抜け出し21-12。NTT東日本が同点に持ち込んだ。
エース桃田の勝利で流れはNTT東日本に傾いたかに見えたが、勝負強さを発揮したのはリーグ5連覇中のトナミ運輸だった。第2ダブルスに起用された西田陽耶(上写真・右)/目崎駿太郎が、今季から日本B代表に選出されたNTT東日本の柴田一樹/山田尚輝を圧倒。第1ゲーム21−10で制すと、第2ゲームも13本に抑えた西田/目崎が勝利。「第2ダブルス(の勝利)はびっくり。よくやってくれた」と荒木監督。トナミ運輸は今季から日本代表に選ばれた金子真大/大田隼也を第2ダブルスに起用する選択肢もあったが、「練習から調子がよかった」という西田/目崎を抜擢。その采配が、見事に的中した。ライバル対決を制したトナミ運輸が、リーグ6連覇に王手をかけた。
▼準決勝(2月23日)
ジェイテクト 2-1 BIPROGY
市川和洋/野田悠斗●0〔16−21、12−21〕②渡辺勇大/小野寺雅之
西本拳太②〔21−19、19−21、21−13〕1●渡邉航貴
相澤桃李/佐野大輔②〔21−16、13−21、21−18〕1●金子祐樹/三橋健也
トナミ運輸 2−1 NTT東日本
保木卓朗/小林優吾②〔22−20、18−21、21−13〕1●古賀輝/齋藤太一
常山幹太●1〔21−14、17−21、12−21〕②桃田賢斗
西田陽耶/目崎駿太郎②〔21−10、21−13〕0●柴田一樹/山田尚輝
▼決勝戦(2月24日)
トナミ運輸 – ジェイテクト
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取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳