日本の頂点をかけて争われる第77回全日本総合バドミントン選手権（東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ）。大会最終日が行なわれた30日は、各種目決勝戦が行なわれた。ここでは、男子ダブルスのダイジェストを紹介する。
【男子ダブルス】
日本A代表の古賀輝（上写真・右）／齋藤太一（NTT東日本）と、全日本社会人優勝の山田尚輝／柴田一樹（NTT東日本）。同チーム対決となった男子ダブルス決勝は、古賀／齋藤が2-0で勝ち、悲願の初優勝を遂げた。
先輩ペアの古賀／齋藤は、小柄ながら驚異的なスピードを誇り、時にトリッキーなプレーも見せる。対する山田／柴田は、長身からの攻撃が武器。柴田が179センチの長身から豪快なジャンピングスマッシュを打ち込み、山田が左腕からキレ味鋭いショットを放つ。しかし、打っても打っても古賀／齋藤が返してくる。それでも、打ち続けるしかない山田／柴田。ラケットを上げて積極的にシャトルにさわり、先輩ペアを圧倒するなど見せ場をつくった。
一方、古賀／齋藤は、レシーブから攻撃に転じるバリエーションが豊富。攻めるチャンスとなれば、前衛を得意とする古賀がバネを生かしてジャンピングスマッシュを打ち込み、後衛を得意とする齋藤がネット前から叩き込む形も次々と決まる。山田／柴田も怯まず打ち続け、終盤は18-17と1点リード。そこから、古賀のジャンプスマッシュがクロスに刺さるなどして、古賀／齋藤が同点、逆転。最後は柴田のサービスリターンがバックアウトとなって21-19。古賀は「思い切ってプレーして勝てたのがよかった」。柴田は「こっちがイケイケの場面で点数を欲しがって、ミスにつながってしまった。すごくもったいない終わり方をしてしまった」。古賀／齋藤が第1ゲームを奪った。
第2ゲームも点の取り合い。先にラリーの主導権を握るべく、両ペアともサービス周りからしっかりシャトルにさわる。また、攻撃が目立つ山田／柴田（上写真・右）だが、カバー力があるのも魅力の一つ。シャトルを散らしながら崩してくる古賀／齋藤に、よくついていった。しかし、レシーブと得点パターンが多彩なのは先輩の古賀／齋藤。「相手は向かってきて、こちらの球も読まれて、普段はいけるところでいけないということもあった」（齋藤）と言いながら、第1ゲームを取れたことで気持ちに余裕があったという。中盤まで競り合うも、山田／柴田はいい形で打たせてもらえず。「相手が思いきり前に詰めてきて、こちらの守りが多くなった。うまく対処しきれず一気に離されてしまった」と柴田。対する古賀／齋藤は、しっかり床をねらったスマッシュが刺さる。終盤は焦りからか山田／柴田のミスが重なり、さらに点差が離れていった。最後は古賀のサービスプッシュを、柴田が勢いよく弾き返してしまいバックアウト。21-12と大差をつけて、A代表の先輩ペアが優勝を決めた。
試合後は、「保木（卓朗）／小林（優吾）ペアが出ていないとはいえ、全日本総合は全日本総合。強い選手も出ている中、勝って当たり前と思われて勝つことは難しい。しっかり勝つぞという気持ちで臨んで勝ててよかった」と古賀。ベスト4の壁を越えて一気に駆け上がった頂点を、素直に二人で喜んだ。
▼決勝（12月30日）
古賀輝／齋藤太一（NTT東日本）②〔21-19、21-12〕0●山田尚輝／柴田一樹（NTT東日本）
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取材・文／バドミントン・マガジン編集部
写真／菅原淳