日本一を争う「第77回全日本総合バドミントン選手権」が、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで12月25日に開幕した。大会最終日が行なわれた30日は、各種目の決勝戦を実施。ここでは決勝を戦った選手たちのコメントを紹介する。
優勝
桃田賢斗
(NTT東日本)
男子シングルス決勝:渡邉航貴(BIPROGY)に21−12、17−21、21−11で勝利!2年連続6回目の優勝
――決勝戦を振り返って
1ゲーム目、相手は絶対に攻撃してくると思ったので、うまくしのごうと思っていました。でも、ペースを相手に握られて、追いかける展開で苦しかったのですが、中盤からリードしてから気持ちが楽にプレーできました。それで1ゲーム目をスムーズに取れました。
2ゲーム目は4-1でリードした展開から、勝ちたい気持ちから大事にいき過ぎて、苦しい展開になってしまったのが今日の反省点。ファイナルゲームは、本当に技術とかではなく、気持ちが強い方が勝つと思ったので、一球でも相手コートに返してやろうと思って、強い気持ちを持ってプレーできたのが勝因かなと思います。
――非常に丁寧で我慢強いラリーだった。勝ちたい気持ちはどのように持っていた?
コートに入っている時点で、負ける気はさらさらないです。勝ちたい気持ちが強すぎると、自分は視野が狭くなって力みが出てしまうタイプ。あまり意識せずに自分の発想だったり、やってきた練習をどう出せるかを大事にしたり、自分の中で楽しんでいけるように最近は心がけています。
今日は、どちらかというと自分が攻めていくというより、守って、拾ってというところで勝ち切れた。自分のフィジカル面や、ミスをせずに一球でも多くしぶとく、ねばり強くという部分が出せたところだと思います。
――昨日(準決勝)は、楽しみにしていた奈良岡功大選手との試合が(相手の棄権で)実現しなかった。気持ちをどう切り替えたか
昨日、アップをしている途中で功大が棄権すると聞いて、できないのか……という部分も確かにありましたけど、すぐに気持ちを切り替えて、引きずることもなく、決勝戦に向けて佐伯(浩一)コーチとチームメートと一緒に、そのままいい練習をすることができました。多分、自分が海外の試合に勝ち上がれば、いずれ当たると思うので、その時を自分の中でも楽しみにしておきたいです。
――あらためて、全日本総合とは
昔から本当に憧れていた舞台。自分の中では、日本のエースを決める大事な大会と認識しているので、この総合にかける思いもほかの選手よりは強いと思います。そういったところが、コートの中で気持ちとして表れたのではないかと思います。今日、しっかりと優勝ができて本当にうれしかったですし、たくさんの応援をいただいて、すごく気持ちよかったです。
――試合後のテレビインタビューで、背中を痛めていると言っていた
大会が始まる2日前くらいのチーム練習でちょっと気になり始めて、トレーナーさんにもすごくケアをしてもらいました。ちょっとずつよくなってきている中で、2回戦の1ゲーム目の途中でちょっと背中が痛くなってきて、その辺からスローペースなプレーになってしまいましたが、逆にいらんことをしないで、大事に大事にと(ラリーを)できたのではないかと思います。
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取材・構成/吉井信行、平野貴也、バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳