日本の頂点をかけて争われる第77回全日本総合バドミントン選手権（東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ）。大会5日目は、各種目準決勝が行なわれた。ここでは、男子ダブルスのダイジェストを紹介する。
【男子ダブルス】
パリ五輪レースの先頭をいく保木卓朗／小林優吾（トナミ運輸）が欠場の男子ダブルス。世界ランクで日本勢2番手につける古賀輝／齋藤太一（NTT東日本）と、全日本社会人優勝の山田尚輝／柴田一樹（NTT東日本）が、ともに初の決勝進出を決めた。
この日、最後にコートに入った古賀／齋藤（上写真・左）は、井上拓斗／小野寺雅之（BIPROGY）と対戦。前日の準々決勝で、A代表の竹内義憲／松居圭一郎（日立情報通信エンジニアリング）を2-0で倒してきた井上／小野寺。試合後、「純粋にラリーして、我慢勝負だなと思っていた」と話した井上は、この日も動きがよく、序盤は互角の展開に。いかに相手を崩し、確実に仕留められるかの勝負となった中、レシーブで相手を振ってチャンスをつくった古賀／齋藤が、点を奪っていく。「自分たちの持ち味であるレシーブから入る形や、相手のいい部分を出させないようにというのが、うまくはまった」と古賀。第1ゲームは21-12、20分ほどで古賀／齋藤が先制した。
第2ゲームに入っても、古賀／齋藤の攻撃的プレーが炸裂。後衛でプレーすることが多い齋藤も、チャンスには素早く前に飛び込んで仕留める。それも、必ず古賀がフォローに入っているという信頼感があってこそ。前衛を得意とする古賀が後ろからスマッシュ、齋藤が前で仕留める形も決まり、点差を離していく。井上／小野寺も食らいつくが、レシーブから攻撃に転じられない苦しい展開。さらに、「今日はサービスまわりで本当に集中していた」（齋藤）と、サービスまわりでも古賀／齋藤が上回り、相手に流れを渡さなかった。最後は、小野寺のクロスロブがアウトとなって、21-13。古賀／齋藤が悲願の日本一に向けて、あと一つと迫った。
先に試合に入っていた、山田／柴田（上写真・左）と三橋健也／岡村洋輝（BIPROGY）の戦いが終わったのは、この日、最後。ファイナルゲーム、80分近い激闘だった。ともに気合十分で攻めるプレースタイル。第1ゲームは17-19から4連続得点で、三橋／岡村が押しきった。
先制された山田／柴田だが、「逆転されたけどペースは悪くなくて、ちょっとしたミスで取られた。2ゲーム目以降、自分たちのプレーを続ければ勝てる、という希望は見えていた」と柴田。その言葉どおり、第2ゲームは17-17から抜け出した山田／柴田が奪い返し、ファイナルゲームへ。「向こうは引いてしまって、いつもしないようなプレーをしているのがわかった。自分たちは思いきり攻め続けていけた」と山田。対する岡村は、「こちらの動きが硬く、ローテーションが遅くなってしまった。負けられないというプレッシャーが強くて、受け身になってしまった」と振り返った。勢いに乗って向かっていく山田／柴田が、中盤でつけた6点差を生かしながら試合を進め、21-14で勝ちきった。
決勝は、NTT東日本の2ペアによる同チーム対決。どちらも、決勝の舞台に立つのは初めてだ。後輩の山田は、「相手はすごく格上なので、向かっていくだけ」。先輩の古賀は、「練習で何度もやっていて、お互いに球を知っているし、1ゲームが勝負かなと思う。飲まれないようにしたい」と気を引き締める。どちらが先に主導権を握るか、序盤から目が離せない展開になりそうだ。
準決勝の結果は以下の通り。
▼準決勝（12月29日）
山田尚輝／柴田一樹（NTT東日本）②〔19-21、21-18、21-14〕1●三橋健也／岡村洋輝（BIPROGY）
古賀輝／齋藤太一（NTT東日本）②〔21-12、21-13〕0●井上拓斗／小野寺雅之（BIPROGY）
▼決勝
山田尚輝／柴田一樹（NTT東日本） − 古賀輝／齋藤太一（NTT東日本）
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取材・文／バドミントン・マガジン編集部
写真／菅原淳
