日本の頂点をかけて争われる第77回全日本総合バドミントン選手権(東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)。大会4日目は、各種目準々決勝が行なわれた。ここでは、男子ダブルスのダイジェストを紹介する。
【男子ダブルス】
パリ五輪レースをリードする保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)が欠場。A代表として気を吐いているのが、古賀輝(上写真・右)/齋藤太一(NTT東日本)だ。
第1ゲーム序盤は古賀/齋藤がリード。しかし、攻撃力全開の霜上雄一/野村拓海(日立情報通信エンジニアリング)は、怯まずスマッシュを打ちまくる。相手のロングレシーブがバックアウトになるまで打ち続けて得点を重ね、第1ゲームは21-18で霜上/野村。第2ゲームも霜上/野村が攻め続け、18-14とリード。古賀は「正直、心が折れていたというか、何をやっても相手の方がうまくいって、お手上げ状態だった」と振り返った。しかし、そこから開き直り、ネット前で勝負を仕掛けて一気に同点、逆転。21-18で古賀/齋藤が第2ゲームを奪った。ファイナルゲームに入ると、古賀/齋藤の反応スピードが際立つ。サービスから3球目にも工夫をつけて有利な展開を作り、霜上/野村にいい形で打たせない。本来は前衛の古賀が後ろに回されても、コースをねらって沈め、ネット前から齋藤が叩き込む。ラリーの主導権を奪われた霜上/野村は、強打をネットにかけるなどミスを重ね、最後もロブがバックアウト。21-7という大差でゲームオーバーとなった。
古賀/齋藤と対するのは、井上拓斗/小野寺雅之(BIPROGY)。A代表の竹内義憲/松居圭一郎(日立情報通信エンジニアリング)にストレート勝利。敗れた松居は、「得意な形ができていながら1ゲーム目を取れなくて、2ゲーム目から迷いが出た」と悔やんだ。対する井上は試合後、「入るコートから、すべて予定してた通りにうまく進んだ」と会心の勝利だったことを明かした。小野寺は、「初戦から優勝をめざしてプレーしてきた。明日も二人で話し合って、チャレンジャーの気持ちで頑張っていきたい」。代表落ちを経験している二人が、しっかりと頂点を見据えている。
この日、最後にベスト4進出を決めたのが、B代表の三橋健也/岡村洋輝(BIPROGY)。混合ダブルスA代表の山下恭平/緑川大輝(NTT東日本)に対し、リードを保ちながら試合を進めていく。試合後、「二人で話し合って、相手の得意な低空戦を封じられたのが、勝てた要因だったと思う。自分たちの土俵に持ち込んだ方が強いので、大きい展開に持ち込んだ」と振り返った岡村。大きな声で気持ちを高めながらも、冷静に試合を運んでつかんだベスト4だった。
三橋/岡村と対戦するのは、全日本社会人優勝の山田尚輝/柴田一樹(NTT東日本)。大学生の西大輝/木田悠斗(龍谷大)に対し、「相手に向かってこられることはわかっていたけど、引いてしまった」(山田)と第1ゲームを失う。それでも、「自分たちのよさは、攻めて打ちきること」(柴田)と攻めるスタイルを前面に出し、第2ゲームから21-13、21-11と圧倒。代表入りをアピールする最低限とも言える、ベスト4をつかみ取った。
準々決勝の結果は以下の通り。
▼準々決勝(12月28日)
山田尚輝/柴田一樹(NTT東日本)②〔20-22、21-13、21-11〕1●西大輝/木田悠斗(龍谷大)
三橋健也/岡村洋輝(BIPROGY)②〔21-18、21-16〕0●山下恭平/緑川大輝(NTT東日本)
古賀輝/齋藤太一(NTT東日本)②〔18-21、21-18、21-7〕1●霜上雄一/野村拓海(日立情報通信エンジニアリング)
井上拓斗/小野寺雅之(BIPROGY)②〔21-18、21-15〕0●竹内義憲/松居圭一郎(日立情報通信エンジニアリング)
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取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳