日本一を争う「第77回全日本総合バドミントン選手権」が、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで12月25日に開幕した。大会4日目が行なわれた28日は、各種目の準々決勝を実施。ここでは注目選手たちのコメントを紹介する。
桃田賢斗
(NTT東日本)
男子シングルス準々決勝:田中湧士(NTT東日本)に21−17、21−17で勝利
――チームメートで手の内を知る相手。ラリーに徹していた
(自分の球筋を)読まれていたのが嫌だったので(強打を)打つのは控えました。1ゲーム目の7-11くらいでリードされていて、そこから(6連続得点で)追いつくときのラリーが、相手が嫌がっているのがわかったので、流れを持ってこれたと思いました。
――ゲームの序盤は様子を見ていた?
いや、こっちもスピードを上げていたのですが、相手が予想以上に速くて、止められなかったです。
――第1ゲームの15点以降の点の取り方もよかったのでは?
ラウンドからのハーフクロススマッシュが利いていて、相手が(予測を)張りづらそうにしていました。あのショットが一番、今日は利いていたかなと思います。
――明日は、奈良岡選手と対戦
相当しんどいと思います。多分、打たされて、回されて、何を打っても壁のように返ってくると思うんですけど、あっちもスタミナは無限じゃないと思う。ちょっとずつ、ジャブを効かせて。どっちが先に動けなくなるか。それか、相手の技術に翻弄されるか。こっちが簡単にミスをしてしまうと、すぐに負けてしまうと思うので、しぶとくねばっていけたらいいかなと思います。
――国内大会だが、ハイレベルな試合になる
全日本総合で世界ランキング2位の選手と試合するのは初めてなので、楽しみですね。
――「失うものはない」と言っていた
迎え撃つ方が、しんどいもの。僕もその経験はしてきたので、心境がすごくわかります。(奈良岡は)相手が年上でも、負ければ「奈良岡、負けたじゃん」という感じに思われてしまう。(自分は)一発、食ってやろうという強い気持ちを持っていきたいなと思います。
――この大会を勝ってこそ、日本のエースと言っていた。新旧エース対決は楽しみ
楽しむだけですね。自分がどれくらい通用するのか。「もうちょっと、これができたな」と思いながら負けるのは嫌なので、全部出し切っていきたいと思います。
――奈良岡選手は、全日本総合ということをあまり意識せず、来年に向けていろいろと試す大会だと言っているが、彼を必死にさせたい?
いや? それなら、余裕持ったまま、調整しながら(のプレーで、勝利を)譲ってくれたらいいかなと思います(笑)。僕は、がむしゃらにいくので。本気になるか、折れるか、こっちがいなされるか。本気になってもらえたら、うれしいなと思います。
――壁として立ちはだかってやろうという意識は?
全然ないですね。もう、ぶつかって、当たって砕けろだと思うので、出し切っていきたいと思います。
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取材・構成/吉井信行、平野貴也、バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳