日本の頂点をかけて争われる第77回全日本総合バドミントン選手権(東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)。大会3日目は、各種目2回戦が行なわれた。ここでは男子ダブルスのダイジェストを紹介する。
【男子ダブルス】
昨年優勝の保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)が欠場するなか、A代表2ペアが準々決勝進出を果たした。
先に勝ち上がったのは、世界ランク14位と日本勢2番手につける古賀輝/齋藤太一(NTT東日本)。現在の所属先は違うが、高校、大学とペアを組み、インカレ優勝の実績を持つ高野将斗(日立情報通信エンジニアリング)/宮嶋航太郎(ジェイテクト)に2-0。齋藤のクロススマッシュを古賀がクロスプッシュで仕留めるなど、得意のスピーディーでトリッキーなプレーを披露した。準々決勝では、日本ランキングサーキット3位の霜上雄一/野村拓海(日立情報通信エンジニアリング)の挑戦を受ける。
第2シードの竹内義憲(上写真・右)/松居圭一郎(日立情報通信エンジニアリング)は、大学生の小川航汰/熊谷翔(日本大)と対戦。大学生といってもB代表の二人。竹内/松居のパワーに圧倒されて防戦一方になる場面もあったが、しっかり食らいつく。第1ゲームは25-23で竹内/松居、第2ゲームは21-18で小川/熊谷、ファイナルゲームは21-19で竹内/松居が勝ちきった。
混合ダブルスA代表同士が組む山下恭平/緑川大輝(NTT東日本)、B代表の三橋健也/岡村洋輝(BIPROGY)は、ともに2-0で勝利。ペアとして全日本総合初出場の三橋/岡村は、「今日も緊張はあったけど、昨日より慣れた。反省点を話し合って、二人で前にいけた」(岡村)、「お互い後衛をやってきているので、無理にネット前に出てもカバーしてくれるという安心感がある」(三橋)とペアとしての成長を感じているようだ。28日の準々決勝ではベスト4をかけて、この2ペアが対決する。
この日一番の大熱戦だったのが、山田尚輝(上写真・右)/柴田一樹(NTT東日本)と金子真大/大田隼也(トナミ運輸)の戦い。ランキングサーキットは金子/大田が、秋の全日本社会人は山田/柴田が優勝。対戦成績1-1で全日本総合を迎えた。
第1ゲームは金子/大田が21-12で先取。第2ゲームは相手のマッチポイントを何度もしのいだ山田/柴田が、25-23で奪い返した。ファイナルゲームは山田/柴田がリードし、金子/大田が追いつく。「どっちが勝つか、みたいな展開になったので絶対勝ってやろうと。最後は気持ちでした」(山田)。お互い勝ちたい気持ちが前面に出る中、山田/柴田が上からシャトルにさわって勝負をかけ、金子/大田にミスが重なる。最後は連続スマッシュから浅くなったところを、山田が飛びついて相手コートに突き刺しゲームオーバー。勝者も敗者もしばらく動けないほどの激闘は1時間を超えた。準々決勝の相手は、大学生で唯一勝ち残っている西大輝/木田悠斗(龍谷大)。「これで浮かれていたらやられてしまうので、まずは明日、足元をすくわれないように必死に頑張っていきたいです」(柴田)と気を引き締めた。
2回戦の結果は以下の通り。
▼2回戦(12月27日)
西大輝/木田悠斗(龍谷大)②〔21-16、21-10〕0●井上誠也/川邊悠陽(日立情報通信エンジニアリング)
山田尚輝/柴田一樹(NTT東日本)②〔12-21、25-23、21-19〕1●金子真大/大田隼也(トナミ運輸)
山下恭平/緑川大輝(NTT東日本)②〔21-14、30-29〕0●小川翔悟/佐野大輔(ジェイテクト)
三橋健也/岡村洋輝(BIPROGY)②〔21-16、21-14〕0●野田悠斗/相澤桃李(ジェイテクト)
古賀輝/齋藤太一(NTT東日本)②〔21-12、21-13〕0●高野将斗(日立情報通信エンジニアリング)/宮嶋航太郎(ジェイテクト)
霜上雄一/野村拓海(日立情報通信エンジニアリング)②〔14-21、24-22、21-11〕1●竹内宏気/小川桂汰(丸杉)
井上拓斗/小野寺雅之(BIPROGY)②〔21-8、21-16〕0●西田陽耶/目崎駿太郎(トナミ運輸)
竹内義憲/松居圭一郎(日立情報通信エンジニアリング)②〔25-23、18-21、21-19〕1●小川航汰/熊谷翔(日本大)
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取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳