11月19日に開催されたBWFワールドツアー・熊本マスターズジャパン(熊本県立総合体育館/Super500)最終日は、各種目の決勝戦が行なわれた。今年新設された同大会。日本勢は準決勝で姿を消したものの、決勝に勝ち進んだ海外のトップ選手らが会場を埋めた多くのファンを魅了している。
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【男子シングルス】
今年の7月のジャパンOP(Super750)を制したビクター・アクセルセン(デンマーク/上写真)が、中国のエース・石宇奇(シー・ユーチー)と対戦。今大会のラストを飾るトップ同士の対決は、第1ゲームから見応えあるラリーを展開。鋭いカットでライン際をえぐる石宇奇に対し、長い手足を伸ばしてひろうアクセルセン。どちらも主導権を譲らぬ勝負は、強烈なスマッシュを要所で叩き込んだアクセルセンが22-20で先制した。
第2ゲームに入っても、どちらに勝利が転ぶかわからない展開。お互いに相手のスマッシュをクロスに切り返し、体勢を崩してチャンスをつくろうとする中、ネット前で圧力をかけるアクセルセンがじわじわとリードを広げる。逆転をねらう石宇奇(上写真)も積極的に攻撃を仕掛けていったが、焦りもあってかスマッシュを決めきれずミスが続いた。最後も石宇奇のアタックがネットにかかり、アクセルセンが2-0のストレート勝ちで優勝。2021年の東京オリンピック金メダルのほか、2022年の東京世界選手権でも優勝を飾るなど、相性のいい日本で頂点に立ったアクセルセンは「日本で優勝できて本当にうれしい。僕のスポンサーであるヨネックスは日本生まれだし、日本のファンの前で勝ちたかったからね。今大会が始まる前は、そこまで自分に期待がもてなかったけど、今日は高いレベルのパフォーマンスを発揮できたよ」と熊本マスターズ初代王者は笑顔を見せて喜んだ。
▼決勝戦(11月19日)
ビクター・アクセルセン(デンマーク)②〔22−20、21−17〕0●石宇奇(中国)66分
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO