11月16日、BWFワールドツアー・熊本マスターズジャパン(熊本県立総合体育館/Super500)が行なわれた。今年から新設された同大会は、国内ではジャパンOP(S750)に次ぐレベルで、日本A・B代表や海外のトップランカーが参戦。ここでは、試合を戦った選手たちのコメントを紹介する。
渡辺勇大/東野有紗(右)
混合ダブルス:2回戦は葉宏蔚/李佳馨(台湾)に2-0で勝利
――両ゲームとも競ったところを取れた
東野 よかった点は、自分自身はあまりなくて、勇大くんがハーフを使ってくれたところで、もうちょっと前に入れればよかったかなという(思い)のはあります。
渡辺 向こうの攻撃的な展開は強い(と感じた)。女性の選手は前だけという感じで、男性がハーフから後ろを全部動く感じだった。(以前に)負けた時は、前を使いすぎてしまった意識があって、前回と今回はドライブを増やしていく展開になりましたけど、やっぱり、それも相手は読んでいた。強い球で向こうも返してくるようになって、先輩に前でつかませることができなかったので、そこは課題ですね。でも、要所で沈めたり、(点が)欲しいところで意思疎通ができたと思います。
――第2ゲームは攻撃しても強い球で返されて攻守が入れ替わっていた
東野 相手ペアもしっかりとレシーブをしてくるし、スマッシュに対してのドライブ(レシーブ)がすごく速い。自分が(前衛で)潰せることが少なかったので、前に置いてしまって、もう1回振り出しに戻る展開が多かった。もう少しドライブ待ちをできたらよかったかなと思います。
――1勝1敗の相手。プランと試合中の変更は?
渡辺 サービス場面がうまい選手たち。そこでつかませないようにというところでした。僕のサービスレシーブがちょっと甘かったですけど、相手が落としてきた球に対して、先輩がバッと早く反応して逆サイドに振ってくれたりしていたので、相手はそれがやりづらかったと思う。また、出だしの2、3球で相手がリズムをつかめないとなると、相手の思うようにいかないプレーも増えてきたと思う。それで、僕らがやりたいプレーをしたというより、相手がやりづらいプレーというところがハマったかなと思います。
――ミックスは、ベスト8付近の戦力が厚くなっている
東野 1回戦から相手が強いですし、気が抜けない。最初からフルでやらなきゃいけなかったりするので、コンディションの維持がやっぱり難しくなっています。みんな同じだと思いますが、そのあたりをしっかりしていきたい。相手がミスをしなくて、自分たちが我慢できなかったりする。クオリティの高いペアばかりになってきたので、自分たちもついていかなきゃいけない。中国ペアだけでなく、他のペアも強いので、疲れていてもクオリティを出す必要があって、そのあたりがだいぶ疲れます。
山下恭平/篠谷菜留
混合ダブルス:2回戦は張課琦/李芷蓁(台湾)に2-0で勝利
――ストレート勝利。内容もいい勝ち方でした。
篠谷 相手の男子選手が緊張していたのか、ミスが多かったり、あんまり動きがよくなかったかなと思いました。気持ち的にも相手が引いてくれたので、相手が立て直す前に、自分たちのペースで1試合を展開できたのが、勝ち切れた要因かなと思います。
――2ゲーム後半も、レシーブからしっかり点数につなげていた
山下 1ゲーム目も2ゲーム目も、途中から点数が離れて気持ちの余裕ができました。そこで1点1点を積み重ねていけたので、すごくよかったかなと思います。
――男子選手の強打は速く感じたが、しっかり返せていた
篠谷 速いには速いけど、今日は本来の力ではないかなと。重いには重いけど、緊張からなのか、浮いていた球が多かったです。
――2人の攻撃面はどうだったか
篠谷 私の中ではレシーブから前に出られているし、ハーフと後ろの部分を山下に任せるところは任せている。そこはできた方だと思います。山下のカバーが速いので、すごく安心して前には出られるから、いい形で勝負ができたと思います。
――2試合を終えて、大会での調子はどうか?
山下 上がってるというよりも、いいリズムできてると思います。いい感じです。
――次の中国ペア(馮彦哲/黄東萍)に対しての対策は?
山下 格上のペアなので向かっていくだけ。相手の方がプレッシャーがあると思うので、思い切って自分たちのプレーができるように頑張って勝ちたいです。
緑川大輝/齋藤夏
混合ダブルス:2回戦は鄭思維/黄雅瓊(中国)に0-2で敗戦
――試合を振り返って
緑川 1ゲームは出だしからバっと行かれてしまって、流れが向こうにいってしまったかなと。後手後手に回ったというか、常に上げさせられ、打たれてという感じでした。鄭思維のスマッシュは速いですし、そこに圧倒されたかなと。
ただ、1ゲーム目は取られても、相手がどんな感じで2ゲーム目をやってくるか考える時間にもなった。2ゲーム目はある程度できた部分はあるけど、(リードしたところから)逆転されてしまった。まだ足りない部分というか、負けて課題が見つかった試合でした。
――2ゲーム目の前半はいい流れもあった
齋藤 1ゲーム目に比べて、自分たちの攻撃の数が増えてきたと思います。でも、今日は私ができない部分があって、そこをミドリがすごいカバーしてくれた。いい形に持っていけた部分もあったけど、最後はミスの差が出てしまったと思います。
――できなかった部分とは?。
齋藤 自分のサービスミスだったり、細かい部分のミスが多かったです。
――世界ランキング1位の相手。強い相手とやるときの課題は何か。
緑川 ミスのアベレージもそうですけど、球の質ですかね。ドライブにしろ、サービスにしろ、一つひとつの質が上の選手は自分たちよりも高いと思います。
――中国選手の前衛は速さもあるが、そこに勝つためのポイントは?
齋藤 自分がもっと前でさわりいかないといけない。あとは、中国選手はサービスからの1、2、3本目で決めにくるので、自分もそこができないといけないと感じます。
取材・構成/平野貴也、バドミントン・マガジン編集部
写真/平野貴也