11月15日、BWFワールドツアー・熊本マスターズジャパン(熊本県立総合体育館/Super500)が行なわれた。今年から新設された同大会は、国内ではジャパンOP(S750)に次ぐレベルで、日本A・B代表や海外のトップランカーが参戦。ここでは、試合を戦った選手たちのコメントを紹介する。
渡邉航貴
男子シングルス:1回戦はマグヌス・ヨハンネセン(デンマーク)に2-0で勝利
――よい勝ち方だったが、手応えは?
事前に、どっちのエンドから飛ぶかをほかの選手たちに聞いて、(追い風で)やりづらい方から入りました。攻撃的にプレーをして、第2ゲームは余裕を持って相手を焦らして、レシーブに回ろうと考えていたことが、うまくハマってよかったです。
――相手の印象は?
初対戦でした。1、2歳年下で、デンマークで新しく強くなってきている選手だと知っていました。年下の相手だから勝たなければと思わずに、ちゃんと相手の強さを認めて、自分のプレーをしっかり出そうと思って油断せずに試合に入ったのがよかったと思います。
――デンマークは大型選手が多いが、タイプが違った
ねばり強いです。デンマークの長身選手には(強打を)寸止めするカットを使うことが多いのですが、一発目からしっかりと下(落下点)に入られて、“あ、ラリー型の選手なんだ”と。そこからはカットをあまり使わずに、相手をまわして球をどんどんブレさせながら、チャンスを決めるプレーに変えていきました。ラリーなら、スピードでは負けないところが自分の持ち味。それがよかったかなという感じです。
――次は、ギンティン(インドネシア)を破った翁泓阳(ウェン・ホンヤン/中国)との対戦
中国選手が勝ってくると思っていました。ギンティン選手に4勝0敗の左利きで、ツアーも2回優勝している。彼は1歳年下。埼玉栄高校2年生の時に中国遠征して、その時に、一つ下の学年にいました。ショットにキレがあって、球を沈めてくるタイプで「強いな、こいつ」と思いました。
中国のB代表になって、ICシリーズとかSuper100に出ていて、その時は、それほど勝っていたわけではない。でも、最近はすごく勝ってきている印象です。ツアーで対戦するのは初めて。今は、当時よりフィジカルの強さもついていると思うので、楽しみです。先週(の韓国マスターズでは)、左利きの桃田選手にボコボコにされたので、正直、怖いものはありません(笑)。
西本拳太
男子シングルス:1回戦は石宇奇(中国)に1-2で敗戦
――ファイナルゲームの最後、相手に打ち切られてしまった
そうですね。確かに打ち切られましたけど、紙一重だったと思います。まあ、あのレベルのシード選手に、こういうゲームができたのはいい意味で評価したいです。ただ、負けは負け。18オールの時と同じ場面になった時、次はどうするかというのを明確にできるように、 整理してやりたいなと思います。
――1ゲーム目はいい流れで取れて、2ゲーム目はシャトルが飛ぶ方のコート。(風上で)もう少しアタックができるのかなと思ったが、逆に2ゲーム目を取られてしまった
(1ゲーム目に)かなりスピードを上げたので、結構きつかったです。2ゲームも途中から結構スピードを上げたので。ファイナルゲームも最後のほうは相手の方がやり方というか、駆け引き的なところで仕掛けてきた。最後2、3本はそれでやられたかなと思います。
――相手は勝った瞬間にすごく喜んでいた
最近ああいうのが多い。勝たれてしまい、相手に喜ばれるのが多い
――それだけ相手も警戒していた証拠
フランスOPでインドネシアのジョナタン(・クリスティ)選手に負けた時もそうだったんです。負けたことはすごい悔しいですけど、プラスにとらえれば、自分もそれだけの選手になってきたとも考えられる。みんなが本気で勝ちにくる選手になれたのであれば、しっかり準備しないといけないと思います。
取材・構成/平野貴也、バドミントン・マガジン編集部
写真/平野貴也