大学日本一を決める第74回全日本学生選手権<インカレ>が愛知県名古屋市で開催。大会最終日となった10月12日は、パロマ瑞穂アリーナで個人戦の準決勝および決勝が行なわれた。ここでは女子シングルスのダイジェストをお伝えする。
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【女子ダイジェスト】
四つ角のシード勢のうち、第2シードの内田美羽(法政大)以外の3人が順当に準々決勝まで進出。しかし、団体優勝の筑波大キャプテンでもある染谷菜々美と西日本インカレ4強の小方里羽(龍谷大)がここで敗れた。
準決勝に進出したのは、昨年準優勝の栗原あかり(筑波大)と小方を退けた十亀加奈江(日本体育大/上写真)、染谷に逆転勝ちした織田遥(日本大)、そして内田が3回戦で姿を消したヤマからは、東日本インカレ準優勝の坂井叶(専修大)。日本B代表でもある第1シードの栗原が本命と思われたが、「ただ向かっていくだけだった」という十亀が数々の接戦を制してきた勝負強さを見せる。「自分のねばりが足らず、相手のペースに持ち込まれてしまった」という栗原に対し、攻守のバランスがとれたプレーでファイナルゲーム19本と振り切った。
もう一方の準決勝も白熱した。第1ゲームを17本で先取した織田(上写真)が、第2ゲームで21−20とマッチポイントを握ったが、坂井が24-22でゲームをイーブンに戻す。坂井に流れが傾いたかに見えたが、ファイナルゲームは織田が優勢を保ち、14本で勝利をつかんだ。
決勝は東日本インカレの5回戦で対戦した十亀vs織田というカードに。第1ゲーム前半は十亀が11-5とリードを広げたが、追い上げる織田が15-14とポイントを先行する場面も。しかし十亀は左利きを生かした得意のスマッシュなどで17-18から4ポイント連取で一気にゲームを奪う。「足はかなりつらい状況だった」というが、第2ゲームも12オールから後半の強さを発揮して21-17。最後のインカレで、初の女王の座に上り詰めた。
優勝:十亀加奈江(日本体育大学)
「今までは、点を取られ始めると焦って自滅することも多かったのですが、今回は最後だから楽しくやろうと思って臨みました。特に変えたことはありませんが、その心がけだけで実際にすごく楽しんでプレーできました。大会の後半になればなるほど調子は上がったと思います。ただ、自分のよさは足を動かしてねばることなんですが、決勝は体力的に相当キツくて、勝った瞬間は泣いてしまいました。全体を振り返ると、高橋(沙弥/北翔大)さんとのベスト8決めが一番苦しかったです。東日本インカレで負けた相手なのでリベンジしたい気持ちもあって、そこを乗り越えられたのが大きかったと思います」
▼準決勝
十亀加奈江(日本体育大)②〔21−19、18−21、21−19〕1●栗原あかり(筑波大)
織田遥(日本大)②〔21−17、22−24、21−14〕1●坂井叶(専修大)
▼決勝
十亀加奈江②〔21−18、21−17〕0●織田遥
取材・文/山口奈緒美
写真/早浪章弘