4年に一度、アジアの頂点を決めるアジア大会(中国・杭州)バドミントン競技は、10月7日、個人戦決勝が行なわれ、混合ダブルスで同大会初の決勝を果たした渡辺勇大/東野有紗は中国の鄭思維/黄雅瓊(ツェン・シーウェイ/ファン・ヤーチョン)に敗れ、準優勝。銀メダルを獲得した。
第1ゲームから地元の鄭思維/黄雅瓊は、気合十分に攻撃を炸裂させた。渡辺/東野は、一気に連続得点を奪われる苦しい展開で第1ゲームを15-21で失うが、第2ゲームで修正。鄭思維を両サイドに動かして打たせるなど策を講じて中盤まで競り合い、作戦で劣勢を打開する渡辺/東野らしさを発揮した。しかし、13-12と1点リードしたあとに、連続ミスなどで7連続失点。「疲労もあり、足が止まってしまった」と、勢いに乗った中国ペアを止めることはできなかった。
なお、勝った鄭思維/黄雅瓊は、2018年のジャカルタ大会に続き、2大会連続での金メダル獲得となった。
石宇奇(シー・ユーチー)と李詩灃(リ・シフェン)の中国対決となった男子シングルスは、団体戦で第2シングルスを担って勝利を重ねた李詩灃が好調さを発揮して、ストレートで勝利。今年3月の全英OPに続くビッグタイトルを獲得した。
女子シングルスは、今シーズン世界選手権を含む9大会で優勝と圧倒的な強さを誇るアン・セヨン(韓国)が、中国の陳雨菲(チェン・ユーフェイ)をファイナルゲームで下し、金メダルを獲得。互いに団体戦からエースとしてプレーし、個人戦決勝まで勝ち上がっているだけに、最後は両者ともにギリギリの状態の中での勝負だった。
同じく中国と韓国の対決となった女子ダブルスは、世界ランク1位の陳清晨/賈一凡(チェン・チンチェン/ジャ・イーファン)が団体戦決勝で敗れた李紹希(イ・ソヒ)/ペク・ハナ(韓国)にストレート勝利で、団体戦のリベンジ。地元の大声援の中、勝利の瞬間はともにコートに倒れ込み、顔を覆って感情を溢れさせた。
唯一、地元の中国勢が決勝に進んでいなかった男子ダブルスでは、インドのチラッグ・シェティ/サトウィクサイラジ・ランキレッディが優勝。団体戦でインドの準優勝に貢献した世界3位のインドペアがアジアの頂点に立った。
【男子シングルス】
▼決勝
李詩灃(中国)②〔23−21、21−15〕0●石宇奇(中国)
【女子シングルス】
アン・セヨン(韓国)②〔21−18、17−21、21-8〕1●陳雨菲(中国)
【男子ダブルス】
▼決勝
シェティ/ランキレッディ(インド)②〔21−18、21−16〕0●催率圭/金ワンホ(韓国)
【女子ダブルス】
▼決勝
陳清晨/賈一凡(中国)②〔21−18、21−17〕0●李紹希/ペク・ハナ(韓国)
【混合ダブルス】
▼決勝
渡辺勇大/東野有紗●0〔21−15、14−21〕②鄭思維/黄雅瓊(中国)
取材・構成/バドミントン・マガジン編集部
写真/Badmintonphoto