【杭州アジア大会】「メダルを取れなくてすごく悔しいけど、それはオリンピックにとっておく気持ちで」(志田&松山)〈個人戦準々決勝コメント-01〉

4年に一度、アジアの頂点を決めるアジア大会(中国・杭州)バドミントン競技は、10月5日、個人戦準々決勝が行なわれた。ここでは日本選手の試合後のコメントを紹介する。

 

志田千陽&松山奈未

女子ダブルス準々決勝、陳清晨/賈一凡(中国)に0-2で敗退

――試合を振り返って

志田 団体戦と同じような戦い方ではこないと思っていましたし、向こうも絶対2回目はないという気持ちでくるっていうのはわかっていたので、自分たちもそのくらいの覚悟を持ってコートに入りましたが、1ゲーム目に簡単なミスや自分が決めれるようなところでミスが出てしまったり、自分的にはちょっと感覚が悪かった気がします。そこで相手をちょっと楽にしてしまったなという部分があります。自分たちが精度の高い攻撃に持っていくことができなくて、ずっと追う形になってしまった。相手は大会期間の中で改善してくる強さがあったし、それに対応できない自分たちのまだまだな部分というのが見えたかなと思います。

松山 中国ペアは団体戦と同じような戦い方はしてこなくて、 間の取り方とか、流れをずっと渡さないようなペースでプレーしていた。中国ペアのやり方にやられたなと、最初から最後まで感じました。

――特にどういうところが団体戦とは違っていたか

志田 カットの使い方、短い球を使ってきたり、ロングサービスを入れてきたり。ただでさえショートサービスが上手なので、そこでこちらはなかなか張れなくて、1球目から思い切っていけなかった部分がありました。あとは、スペースの使い方とか、コートを大きく使ってきたなっていうのをすごく感じました。

松山 ロングサービスは団体戦のときより多くやられたなっていう印象はあったんですけど、ねらっても打ち返せないというか。すごく上手な技術でやられたなと感じました。

――その中でやれたことは

志田 第1ゲームは相手のカットに対して上げる展開が展開が多かったのですが、後半は松山が思い切って前に行って、カットに対してハーフに返したり、引っ張って低い展開にして自分たちのリズムに持っていくところは何本かあったので、そこはよかったかな。

松山 今日はレシーブで迷う場面もありましたし、迷っている自分にも気付いていて、開き直ってもっと前に行けたりしたらよかったかなと思ったり…。やろうとしてやってみることもあったんですけど、相手がそれよりも上にくるので、「これもダメか」と後ずさりさせられるような球回しをさせられていた。やっぱり簡単には勝てない。これが中国だなとすごく思いました。

――大会全体を振り返って、収穫や今後生かしていきたいことがあれば

志田 団体戦ではいいパフォーマンスができましたが、2週間という長い期間の中で、ずっとそれをキープするというのは、やっぱり難しいんだなというのは感じましたが、でも、それを続けないと世界一にはなれないというのも感じました。まだまだミスが多かったり、基礎的な部分もそうですし、サービス場面だったり、ディフェンスの中でも、どうやったら攻撃に持っていけるのか。一つひとつ の精度をもう一段階上げていくというのが課題かなと思います。気持ち的には向かっていく姿勢を出せたり、流れが悪くてもなんとかもがいて修正できたり、緊張感のある会場の中でそれができたのは、すごくよかったし、成長してる部分だと思います。

――オリンピックレースも続くが、今後の意気込みを

志田 オリンピックレースを戦って、あらためてオリンピックに出る難しさも感じているんですけど、まずはここが一つの山だと感じています。この状況と向き合 いつつ、自分たちらしいプレーを1大会1大会出していくことが一番大事なことだと思います。今回、メダルを取れなくて、すごい悔しい思いをしてるんですけど、それはオリンピックにとっておく気持ちで、また前向きに頑張っていきたいです。

松山 今回、団体戦では中国ペアに勝てましたけど、個人戦で負けてしまっては意味がない。レースで、この壁を 超えたいですし、ここを抜けないとオリンピックも見えてこない。 今日負けてはしまいましたけど、自分たちらしいプレーも出ましたし、そういういいところは認めて、また次の大会につなげたいなと思います。

取材・構成/バドミントン・マガジン編集部

写真/Badmintonphoto

投稿日:2023/10/05

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