4年に一度、アジアの頂点を決めるアジア大会(中国・杭州)のバドミントン競技が、9月28日に開幕。大会2日目の29日は男女の団体戦が行なわれ、日本男子が準々決勝・香港戦に臨んだ。ここでは、第3試合を終えた男子シングルスの西本拳太のコメントを紹介する。
西本拳太
第3試合:第2シングルスに登場した西本は、伍家朗(ン・カロン)に2-1で勝利
――第1ゲームは、16オールから先に抜け出して先制。スピードを上げたか
後半、朴(柱奉)さんに「今、スピードを上げないで、いつ上げるの!」と言われたので。お尻をたたかれて走る馬のようなものなので、僕は。いい意味で喝を入れてもらいました。「よし、やってやるよ」と思ってスピードを上げました。
――第2ゲームは、途中からクリアーが多くなった。ファイナルゲームを想定した?
序盤で3-8くらいに離されて、これを追いかけて落としてファイナルゲームにいったら、攻めるしか勝つ方法がなくなってしまうと思いました。それで、勝つために(2ゲーム目は)体力を温存しました。ああいう感じでやられると絶対にやりづらいと、僕自身がやられるときに思うので。強弱をつけながらやりました。
でも、これは難しい面もあって、(ファイナルゲームの苦しいときに)“2-0で勝てたかもしれなかったのに”と思ってしまい、ファイナルゲームでボコボコにされることもある。でも、途中で“こうやろう”と決めたことを、ちゃんとやって結果につながったのでよかったです。今日、また経験値を一つ増やせたかなと思います。
――ファイナルゲームは激闘。鋭いカットをヘアピンのネットイン返された場面もあった
きつかったです。相手もめっちゃきつかったと思います。でも、やっぱり前回よりいいメダルを取りたいので。自分たちの年代が団体戦で優勝をねらえるのは、これが最後かもしれないと思ってやっています。多分、僕らの世代は、みんながそう思っているはず。
――最後は本当にいい勝負。ファイナルゲーム19点目も21点目もよく跳びついた
気持ちですよ、気持ち。彼とは年も同じで何回も対戦しているので、(際どい勝負は)いつもですね。15-12から取られた長いラリーは、本当にきつかったです。途中、オレが負けたらヤバイよなとずっと思いながらやっていました。
――同世代で引っ張ってきた桃田選手を見てきたものが、今生きている部分もある?
そうですね。彼はやっぱり、すごかったんだなと感じるところはあります。負けてニュースになっていましたが、それは本当にすごいこと。奈良岡(功大)選手にも、桃田のような背中を見せられる選手になってほしいと、勝手に思っているところもあります。まあ、桃田と彼は、また違う選手で違うよさがあるとは思いますけど。僕は、奈良岡選手の心に火をつけられるように、自分のやるべきことをやって勝つことが、自分にできることだと思っています。
取材・構成/平野貴也
写真/BADMINTONPHOTO