【全日本社会人2023】ダブルスは柴田&山田、大竹&髙橋、霜上&保原が頂点へ!<ダブルス結果>

9月2日から6日にかけて、第66回全日本社会人選手権(京都・京都市体育館ほか)が開催された。最終日の6日は、京都市体育館において各種目の準決勝、決勝が行なわれ、社会人王者が決まった。ここでは、ダブルス3種目のダイジェストをお伝えする。

【男子ダブルス】

男子ダブルスは、柴田一樹(上写真・右)/山田尚輝(NTT東日本)が、社会人初タイトルを手にした。

柴田/山田は、準決勝で5月の日本ランキングサーキットを制している金子真大/大田隼也(トナミ運輸)に、ファイナルゲームで勝利。決勝では、もう一方の準決勝で井上拓斗/小野寺雅之(BIPROGY)をファイナルゲームの末に破った西田陽耶/目崎駿太郎(トナミ運輸)と対戦。第1ゲームを21-14で先制し、第2ゲームも17-10と大きくリードするも、そこから西田/目崎に8連続得点を許す展開。悪い流れになったが、「我慢するだけ」(柴田/山田)と一進一退の攻防で耐え、21オールから2連続得点で決着をつけた。

ランキングサーキットで準優勝に終わっただけに「壁を越えたかった」と柴田。うれしいタイトルに、2人の笑顔が弾けた。

優勝
柴田一樹(左)/山田尚輝
(NTT東日本)

柴田 本当に苦しかったですけど、最後は拾って、拾ってと我慢したら、相手にミスが出た。今年のランキングサーキットは決勝で負けていますし、個人的にも決勝で負けることが多かったので、そこをなんとか打ち破りたくて。「絶対に勝つぞ」と尚輝と意気込んでコートに入ったので、結果につながってよかったです。

山田 試合の終盤は、相手の好きな展開にして、自分たちがそれに付き合ってしまった。ただ、そこでなんとか我慢できたのが勝因かなと思いますし、自信になります。自分たちのよさは攻撃。攻撃ができれば、いい試合ができるのかなと思っています。まずは今年の全日本総合でベスト4以上に入って日本代表入りするのが目標です。

優勝を決めた瞬間、喜びを爆発させた柴田/山田

▼準決勝

西田陽耶/目崎駿太郎②〔21−14、17−21、21−14〕1●井上拓斗/小野寺雅之(BIPROGY)

柴田一樹/山田尚輝(NTT東日本)②〔21−14、21−23、21−12〕1●金子真大/大田隼也(トナミ運輸)

▼決勝

柴田一樹/山田尚輝②〔21−14、23−21〕0●西田陽耶/目崎駿太郎

【女子ダブルス】

女子ダブルスでは、昨年準優勝の大竹望月(上写真・右)/髙橋美優(BIPROGY)が全日本社会人での初優勝を果たした。5月の日本ランキングサーキットでは、2連覇をねらっていたものの準決勝敗退。悔しさを味わって、「2人でもっと頑張ろう」と話し合い、この大会に臨んだという。その中で準決勝は石川心菜/古根川美桜(NTT東日本)をファイナルゲームで退け、決勝では保原彩夏/水津優衣(ヨネックス/ACT SAIKYO)にストレート勝利。勢いだけではなく、攻められてもレシーブで耐え、2人でコミュニケーションを取りながら流れ取り戻すプレーができたことに成長を実感する大会となったようだ。

また、再春館製薬所の社会人3年目と1年目のペア、金廣美希/木山琉聖がベスト4。保原/水津にファイナルゲーム18-21で敗れたものの、伸び盛りのプレーでアピールを見せた。

優勝
大竹望月(右)/髙橋美優
(BIPROGY)

大竹 全日本社会人は1日2試合ありますが、毎試合全力を尽くすことを目標に、大会に臨みました。決勝も「楽しむこと」を2人で意識して、それができたからいい結果につながったのかなと思います。ランキングサーキットのときのように悪い流れになりそうなときでも、2人で話し合ったり、時間をとったりして連続失点しないようにできたのは収穫。自費派遣での国際大会や全日本総合で結果を出して、代表に入るのが近々の目標です。

高橋 ランキングサーキットは、自分たちでプレッシャーをかけて、それに負けてしまった。今回も準々決勝、準決勝はすごく苦しかったのですが、同じ負けは繰り返したくないという思いでプレーして、それを貫けたのは成長できたのかなと思います。この大会は優勝がマストという思いでやっていたのですが、これに満足せず、全日本総合ではA代表に勝ちたいです。

準々決勝、準決勝とファイナル勝負の接戦を制して勝ち上がった大竹(右)/髙橋。社会人タイトルを手にして次は総合での上位進出をねらう

▼準決勝

大竹望月/髙橋美優(BIPROGY)②〔21−13、18−21、21−12〕1●石川心菜/古根川美桜(NTT東日本)

保原彩夏/水津優衣(ヨネックス/ACT SAIKYO)②〔21−9、17−21、21−18〕1●金廣美希/木山琉聖(再春館製薬所)

▼決勝

大竹望月/髙橋美優②〔21−18、21−13〕0●保原彩夏/水津優衣

【混合ダブルス】

この大会前には2日しか練習していないという新規ペア、霜上雄一(上写真・手前)/保原彩夏(日立情報通信エンジニアリング/ヨネックス)が、頂点へ駆け上がった。

霜上は昨年、加藤佑奈とのペアで全日本社会人を制しているが、加藤が国際大会に出場しているため、今大会では「社会人になって混合ダブルスは初めて」という保原と組んで出場。「動きが全然わからない」と戸惑いを見せた保原だが、霜上の速い展開のプレーに呼応するようにスピーディーにネット前に入り、食らいついた。

決勝では、下農走/重田美空(トナミ運輸/ACT SAIKYO)と対戦。第2ゲーム20-16とマッチポイントを握ってから、下農/重田の猛攻を受け、22-23と逆にマッチポイントを握られるピンチも。しかし、ここから3連続得点で勝負を決め、霜上が雄叫びを上げた。

優勝
霜上雄一(右)/保原彩夏
(日立情報通信エンジニアリング/ヨネックス)

霜上 昨年優勝しているので、今年はペアが変わったとはいえ、プレッシャーがありました。4回戦でファイナルゲームにもつれた試合に勝てたのが大きかった。一戦一戦集中して、少しずつうまくいったのかなと思います。いかに自分が攻撃の形をとるかというのを考えてプレーして、そこが優勝できた要因だと思います。

保原 社会人になって混合ダブルスの試合に出たのは初めて。女子ダブルスと比べて展開が速いし、自分のポジションも前。どうしたらいいかわからないところもありましたが、とにかく自分は相手コートに入れて、パートナーにうまくやってもらうことを考えていました。パートナーには、とても感謝しています。12月の全日本総合までに、もっとレベルアップしたいです。

霜上(左)は昨年に続く連覇を達成。保原は混合ダブルスで初の栄冠

▼準決勝

下農走/重田美空(トナミ運輸/ACT SAIKYO)②〔19−21、21−19、21−15〕1●柴田一樹/尾﨑沙織(NTT東日本)

霜上雄一/保原彩夏(日立情報通信エンジニアリング/ヨネックス)②〔21−12、21−15〕0●仁平澄也/上杉杏(NTT東日本)

▼決勝

霜上雄一/保原彩夏②〔21−19、25−23〕0●下農走/重田美空

取材・文/バドミントン・マガジン編集部

写真/太田裕史

投稿日:2023/09/06
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