9月2日から6日にかけて、第66回全日本社会人選手権(京都・京都市体育館ほか)が開催された。最終日の6日は、京都市体育館において各種目の準決勝、決勝が行なわれ、社会人王者が決まった。ここでは、男女シングルスのダイジェストをお伝えする。
【男子シングルス】
男子シングルスは、古賀穂(NTT東日本)が2019年大会以来2度目の優勝を果たした。古賀は、準決勝では川本拓真(BIPROGY)をファイナルゲーム20-15で退けると、決勝では五十嵐優(BIPROGY)と対戦。第1ゲームを21‐14で先制すると、第2ゲームは追いかける展開も、終盤に19オールと追いつく。20オールからは体力を削り合う長いラリーを展開したあと、リバースカットをネット前に落として五十嵐の足を止めて、21-20。準決勝で同じBIPROGYの小野寺裕介に対してストレート勝利で勝ち上がった五十嵐に対しても、スタミナで上回るところを見せて、続くマッチポイントをものにした。
優勝:古賀穂
「準決勝がファイナルゲームの厳しい試合だったのですが、体力的に厳しい中でも決勝で勝ち切れて、よかったです。日本代表から外れたあと、今年の春は体調を崩すなど心身ともに厳しい時期がありました。今大会は日本代表がいない中で、優勝して日本代表に復帰したいという気持ちがあり、厳しい時期を支えてもらった人にこの結果を喜んでもらえたら。ただ、この優勝は通過点だと思っています」
▼準決勝
古賀穂(NTT東日本)②〔8−21、21−18、21−15〕1●川本拓真(BIPROGY)
五十嵐優(BIPROGY)②〔21−6、21−11〕0●小野寺裕介(BIPROGY)
▼決勝
古賀穂②〔21−14、22−20〕0●五十嵐優
【女子シングルス】
女子シングルスは、小西春七(丸杉)が、シングルスでの全国初タイトルを獲得した。今年5月の日本ランキングサーキットで川添麻依子(丸杉)とのペアでダブルスを制している小西は、今年は主にダブルスに軸を置いて練習しているというが、ダブルスプレーヤーならではの速いテンポのプレーで、シングルスの頂点に立った。
準決勝ではチームメートのシングルスプレーヤー、古川佳奈をストレートで破ると、決勝では水井ひらり(NTT東日本)を破って勝ち上がってきた杉山薫(BIPROGY)に対して、21-9、21-11と圧倒。杉山の浅くなったロブに跳びつき、一気に攻め込む速攻で勝負を決めた。
優勝:小西春七
シングルスでここまで勝てたのは自分でも驚きですし、決勝もこんな展開になるとは思っていませんでした。大会を通しての山場は、チームメート同士の対戦となった準決勝。決勝は、最初から自分から攻めていこうと思っていました。大きな展開で自分が動くことになると不利になるので、速く攻めるダブルス的なプレーがうまくいったのかなと思います。目標は、ダブルスとシングルスの両方でB代表に入ること。ねらっていきたいと思います。
▼準決勝
杉山薫(BIPROGY)②〔21−19、21−7〕0●水井ひらり(NTT東日本)
小西春七(丸杉)②〔24−22、21−17〕0●古川佳奈(丸杉)
▼決勝
小西春七②〔21−9、21−11〕0●杉山薫
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/太田裕史