【世界選手権2023】「今の自分の120パーセントを出しきれたんじゃないかという試合でした」(奥原)<5日目/選手コメント-5>

8月25日に開催されたBWF世界選手権2023(デンマーク・コペンハーゲン)5日目は、各種目の準々決勝が行なわれた。ここでは、ベスト4進出に向けて熱戦を繰り広げた日本代表選手の試合後のコメントを紹介する。

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奥原希望

女子シングルス:準々決勝はアン・セヨン(韓国)に1−2で敗戦

——試合を振り返って

きつかったけど、楽しかった。本当に帰ってこられたというか。2017年の(プサルラ・V.)シンドゥ戦くらい頑張れた。思い切りコートで走りきることができない時間が長かったので。今の自分の120パーセントを出しきれたんじゃないかという試合でした。

——3つのゲームを振り返って

長い試合になることは覚悟していました。第1ゲームは、様子を見ながらプレーしていましたが、相手が会場の風に対応できていなくて、後ろからのショットのエラーが多かった。会場の風と相手のショットに対しては、自分の方が先に対応できたと思います。2ゲーム目は、相手がちょっとスピードを上げてきたところで、自分が長いラリーに対して足が出なかったり、ミスをしたり。相手も意図的に長いラリーをしてきた部分があった。長いラリーを嫌がらず、練習の一環としてトライしたけど、なかなか点数につながるラリーができなかった。2ゲームの中盤まで食らいつきましたが、後半は相手のスピードの変化に対して自分の足が完全に止まってしまってエラーが出た。フィジカルが足りなかったです。

——厳しいラリーが続く中でも、何度も気持ちを切り替えて挑んだ

なかなか試合ができないので、すごく貴重な時間。できるだけ多くの試合を長い時間プレーすることが、今の私にとっては、一番いい練習。試合時間も長くできたので、点数以上の濃い試合をできたのかなと思います。

——アン・セヨンと初対戦だった

現段階の世界トップの選手。ワクワクしながらコートに入った。いつ対戦できるかなという思いはあったけど、私自身が挑戦権を得ることができなかったので、プレーできてうれしかった。序盤は、コートの感覚と相手のショットへの対応能力で私の方が勝っていた。正直、すごく手応えを感じられた。やはり、課題はフィジカル。途中から一気に落ちてしまった。本当に悔しい部分ですけど、十分にやり合える手応えは感じています。この先が明るいんじゃないかと思う試合ができたと思います。これを自信にして、またアン・セヨンに挑戦できるように、頑張りたいです。

——2017年決勝と同じぐらい頑張れたというのは、どこで感じたのか

試合途中にすごく思い出した。気持ちだけは絶対に負けないと強く覚悟して試合に入って、要所で相手がちょっと(気が)抜けたところで点数につなげられた。気持ちが出た部分だったし、それを最後まで披露できたことは、すごく自信を持てる要素。でも、まずはフィジカルを戻さなきゃいけない。あの試合(17年決勝)くらい——1時間50分は言い過ぎですけど(笑)、1時間、最後までスピードを上げて、相手と駆け引きできるぐらいの動き、フィジカル、フットワークを戻していかないと、相手にプレッシャーがかからない。これから何回もやっていけば、お互い手の内がわかってきて、もっと厳しい戦いになる。それでも勝負できるようにしたい。

——大会前に測りたいと話していた「世界との距離」は?

ハプニング(負傷)があってカムバックするということを、私は繰り返しています。毎回、カムバックした瞬間には、世界のトップ選手との距離、物差しを見ながらやっていますが、毎回思うのが「意外と近いな」ということ。射程圏内には全然いるなと感じられていますでも簡単じゃないともすごく実感したので。そこは覚悟を持ってまたやっていかなければいけない部分だと思います。

——今後に向けて

結果は、ベスト8。自分が望む舞台にはまだまだ遠い。やるべきことを一つずつ積み上げて、もっともっと結果を出したい。やはり、まだ今日の試合でわかったように、コート内でのフィジカルは、全然、世界のトップ選手にはかなっていないので、そういった部分で、もう1回、一つずつ、積み上げて。やはり私の武器であるフットワークのところでは、相手よりも上回れるように。そこをスタートで、いろんな戦術とかも試しながら戦えればいいかなと思います。

 

取材・構成・写真/平野貴也

投稿日:2023/08/26

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