8月20日に開幕した第53回全国中学校大会(高知・春野総合運動公園体育館)。中学生の日本一を決める大会には、全国各地のブロック予選を勝ち抜いた精鋭たちが出場。各コートで熱戦を繰り広げた。大会2日目の21日は男女団体戦が行なわれ、優勝チームが決定。ここでは、ふたば未来学園が連覇を飾った男子のダイジェストを紹介する。
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【ダイジェスト】
ベスト4に勝ち進んだのは、昨年の王者・ふたば未来学園(福島)、グッドウェーブ日見(長崎)、青森山田(青森)、そして準々決勝で強豪の埼玉栄(埼玉)を破った能古賀クラブ(福岡)。ふたば未来学園はグッドウェーブ日見と、青森山田は能古賀クラブと準決勝で激突した。
先に決勝の切符を手にしたのはふたば未来学園。シングルスの山城政人が2-0でポイントをつかむと、ファイナルゲームにもつれた第1ダブルスを、宮下翔伍/増田遥が最後は21-15で制し、ねばり強いグッドウェーブ日見を退ける。
反対の山では、青森山田と能古賀クラブが一進一退の攻防を見せる。第1ダブルスは青森山田の阿部煌太/野呂大地が15本、11本で制すと、シングルスは能古賀クラブの山﨑琉生が2-0で快勝して第2ダブルスに勝敗を託す。その第2ダブルスは、どちらも主導権を譲らずファイナルゲームへ。鋭いドライブの応酬となった試合は、能古賀クラブの増田歩夢/仁科源太が、18オールから一気に抜け出して勝利。能古賀クラブが初の決勝進出を決めた。
中学日本一が決まる決勝戦。ここで勝負強さを発揮したのが、前回王者のふたば未来学園。3面同時展開でスタートすると、3コートとも序盤からふたば未来学園が猛プッシュ。シングルスの山城が鋭い角度のスマッシュで主導権を握り、第1ゲームを21-10で奪うと、隣のコートの第2ダブルス、植木伸弥/品田莉希も21-14で先制。第2ゲームも「自分のプレーでチームメートを勢いづけたかった」と攻撃の手を緩めない山城が勝利をつかむと、植木/品田も速攻戦を21-9で制し、ふたば未来学園が2-0で勝利。「今回のメンバーはみんなが(個人でも)チャンピオンになれる力はあると思っていたし、そのための取り組みはしてきました」と、連覇を達成したふたば未来学園の齋藤亘監督。風の影響や勢いに乗ったチームに対しての警戒はあったそうだが、「その中でも、細心の注意をはらいながら選手たちが戦ってくれました」(齊藤監督)と、隙を見せずに戦い抜いたメンバーを称えた。
22日は、男女ダブルス・シングルスの2回戦から準々決勝が同会場で行なわれる(1回戦は21日に実施)。試合開始時間は9時の予定。
【優勝コメント】
齋藤亘監督
「今回は、中学生ではあまり経験のない空調との戦いがあったと思います。実力だけみれば、メンバーみんながチャンピオンになれる力を持っていたと思うし、そのための取り組みもしてきました。選手たちを信頼していましたが、ただ、本番は何が起こるかわからない。特に、この風の影響だったり、勢いに乗ったチームは何を起こすかわからないと思っていました。そういった中でも、選手たちが細心の注意をはらって戦ってくたのがよかったです。私は18年ほど(チームを)見てきましたが、今回はこれまでの中でも1、2位を争うほど強いチームだったと思います。安心して見てられました」
山城政人主将
「チームのテーマは、『スーパー全力の夏にしよう』だったので、自分たちのこれまでの取り組みも、スーパー全力でやってきました。それが、今回の結果につながったと思います。決勝戦ではみんなで円をつくって、『最後は笑顔で終われるように』と声をかけました。みんなが力を出し切ろうと思って、それができたのがよかったです。大会を通してプレッシャーもありましたが、みんながそれに打ち勝てたのが成長だと思います」
準優勝
能古賀クラブ
(福岡)
3位
グッドウェーブ日見
(長崎)
3位
青森山田
(青森)
【結果】(21日/2回戦以降)
▼2回戦
ふたば未来学園(福島)2−0 淑徳巣鴨(東京)
進明(福井)2−0 光陽(奈良)
砂川(北海道)2−1 亀崎(広島)
グッドウェーブ日見(長崎)2−0 小鮎(神奈川)
青森山田(青森)2−1 東明(北海道)
長岡第三(京都)2−1 国分寺(香川)
能古賀クラブ(福岡)2−1 名古屋経済大市邨(愛知)
埼玉栄(埼玉)2−0 聖ウルスラ学院英智(宮城)
▼準々決勝
ふたば未来学園 2−0 進明
グッドウェーブ日見 2−1 砂川
青森山田 2−0 長岡第三
能古賀クラブ 2−1 埼玉栄
▼準決勝
ふたば未来学園 2−0 グッドウェーブ日見
能古賀クラブ 2−1 青森山田
▼決勝
宮下翔伍/増田遥〔21−10、19−3、打ち切り〕仁科源太/井川和真
山城政人②〔21−10、21−6〕0●山﨑琉生
植木伸弥/品田莉希②〔21−14、21−9〕0●松尾駿吾/増田歩夢
※ふたば未来学園は2大会連続9回目の優勝
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取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/梅原沙織