8月19日、BWF世界選手権2023(21日開幕、コペンハーゲン)に出場する日本代表が、試合会場で初練習を行なった。大会の会場は、市の南部にあるロイヤル・アリーナ。2017年完成と比較的新しく、スポーツイベントでは最大1万2500人の収容能力を誇る施設だ。コンパクトな会場でコートだけがライトで浮かび上がる厳かな空間に立ち、女子ダブルスに出場する福島由紀や永原和可那は「(伝統ある)全英オープンのような雰囲気」と話した。
午前9時からの練習では、2組にわけて約30分ずつ、コートの感触を確かめた。選手が口を揃えたのは「横風がある」ことと「シャトルは全体的に飛ばない」の2点だった。試合になれば観客が入り、空調の影響でシャトルの飛び方が変わる可能性はあるが、横風は厄介者。志田千陽(上写真)は「風の吹き方や、シャトルの飛び方は、ちょっと頭に入れておかなければいけないかなという感じがありました」と警戒していた。
日本代表は、前日の18日に現地入り。直行便ではなく中東経由でフライト時間が長かったため、移動当日は休養に充てた。例年、秋に行なわれるデンマークオープン(Super750)に参加している選手は多いが、1986年以降はオーデンセやオーフス、ファルムなど他の都市で行なわれており、コペンハーゲンでの試合は馴染みがなく、夏のデンマークも初めての選手が多い。移動の疲労はあるものの、30度を超える日本から20~25度のコペンハーゲンに移動してきたことで、生活の快適感はあるようだ。
志田は「日本がすごく暑かったので、涼しくて過ごしやすい気候だなと感じます。コペンハーゲンは、初めて来ました。いつものデンマークオープンの会場付近よりも、街並みが栄えている感じがするので、歩いてみたら、お買い物とかもできてリフレッシュできそうだなと思いました」と町の印象を話していた。
日本代表をはじめとする世界のトッププレーヤーが主戦場とするBWFワールドツアーは、32ドローが基本。世界選手権は、64ドローで幅広い国と地域から選手が参加する。序盤は、シード選手が順当に勝ち上がる可能性が高いが、名誉ある大会で、24年パリ五輪開催中でもあり、意欲の高い選手が集うだけに油断は禁物だ。短い時間で心身のリフレッシュを図りつつ、身体の状態や会場の感覚をつかみ、淀みなく迫る開幕に備えることが大切だ。初戦からいいパフォーマンスを発揮するため、日本代表は現地で準備を進めていく。
19日練習後の選手コメント
志田千陽/松山奈未のコメントはこちら
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出国前の選手コメント
取材・構成・写真/平野貴也