バドミントンのインターハイ(全国高校総体)が、8月17日に北海道札幌市で開幕した。大会2日目の18日は、団体戦の準々決勝から決勝までが実施され、男女ともに優勝校が決まった。ここでは、ふたば未来学園が頂点に立った男子のダイジェストをお伝えする。
【男子ダイジェスト】
この日の初戦となった準々決勝では、第1シードの埼玉栄(埼玉)が浪岡(青森)に3−0で快勝すれば、ふたば未来学園(福島)も八代東(熊本)にストレート勝ち。また、右のヤマからは東大阪大柏原(大阪)と聖ウルスラ学院英智(宮城)が勝ち上がり、ベスト4が出揃った。
優勝筆頭候補同士が激突した、埼玉栄とふたば未来学園による準決勝。この試合は戦前の予想通り激戦になった。2面展開のなか、ふたば未来学園は第2ダブルスの関根翔太/中静悠斗が先に勝利すれば、谷岡大后/松川健大も勝って2-0と優位に立つ。しかし、この後、第1シングルスの川野寿真が殷昊羽に敗れると、第2シングルスの谷岡はファイナルゲーム序盤にケガのため途中棄権しスコアは2-2。それでも最後は、第3シングルスの松川が野口駿平をファイナルゲーム21−15で破り、ふたば未来学園が決勝進出を決めた。
もう一つの準決勝、東大阪大柏原と聖ウルスラ学院英智の戦いも白熱した。ダブルスを1本ずつ分け合った後、第1シングルスは東大阪大柏原の浦島快が、第2シングルスは聖ウルスラ学院英智の太田匡亮が勝って、勝負は第3シングルスへ。この大事な試合で、東大阪大柏原は神山剛輝が寺内遥大から第1ゲームを16本で奪うと、第2ゲームは複との連戦で疲れの見える寺内に6本で完勝。東大阪大柏原が頂点まであと一つとした。
ふたば未来学園と東大阪大柏原の対戦となった決勝戦。ふたば未来学園は準決勝で途中棄権したエースの谷岡を欠いての試合となったが、その戦力ダウンをまったく感じさせなかった。3面展開でスタートし、各対戦でふたば未来学園が第1ゲームを奪うと、最初に松川/中静が勝利。それに続いて関根/江田和博が、そのすぐ後には1年生の川野が東大阪大柏原の選手を圧倒していずれもストレート勝ち。エースを欠いたふたば未来学園が、選手層の厚さを示して一気に頂点へと駆け上がり、2年ぶりとなる優勝を果たした。
【優勝コメント】
本多裕樹 監督
「決勝戦は自分たちがすべてを出しきるしかないと、それぞれが谷岡がいない思いなども持って試合をやっていたと思います。後ろにもつれると準決勝での疲労が相当あったので、勝つならストレートだと思っていました。あとに回すのではなく、その試合を勝ちきる。そういうことをみんなに話をして臨んだ決勝戦だったので、最初から力を出しきることができたのかなと思います」
谷岡大后 主将
「選抜3位という結果から、インターハイで優勝することだけを目標にみんなで頑張ってきたので、そういう意味でもみんな本当によくやってくれたと思います。決勝戦に自分がいなかったので悔い…ではないですけど、いたかったという気持ちはあります。ただ、自分がいないなかでもみんなやってくれたので、本当にみんなには感謝しかありません」
【結果】(18日)
■準々決勝
埼玉栄(埼玉) 3−0 浪岡(青森)
ふたば未来学園(福島) 3−0 八代東(熊本)
東大阪大柏原(大阪) 3−0 福井工大附福井(福井)
聖ウルスラ学院英智(宮城) 3−2 長野商(長野)
■準決勝
ふたば未来学園 3−2 埼玉栄
谷岡大后/松川健大②〔16−21、21−18、21−19〕1●沖本優大/角田洸介
関根翔太/中静悠斗②〔21−18、21−12〕0●三浦大地/有江琥珀
川野寿真●1〔9−21、21−17、17−21〕②殷昊羽
谷岡大后●〔21−23、22−20、5−7 キケン〕○沖本優大
松川健大②〔13−21、21−19、21−15〕1●野口駿平
東大阪大柏原 3−2 聖ウルスラ学院英智
佐藤瑠活/神山剛輝②〔21−17、21−18〕0●寺内遥大/松本啓吾
井上結登/山田悠太●1〔21−19、10−21、14−21〕②草井廉太郎/熊谷大貴
浦島快②〔21−12、21−15〕0●尾藤克大
佐藤瑠活●0〔9−21、14−21〕②太田匡亮
神山剛輝②〔21−16、21−6〕0●寺内遥大
■決勝
ふたば未来学園 3−0 東大阪大柏原
松川健大/中静悠斗②〔21−16、21−10〕0●佐藤瑠活/神山剛輝
関根翔太/江田和博②〔21−12、21−11〕0●井上結登/山田悠太
川野寿真②〔21−17、21−16〕0●浦島快
★男子団体の最終結果(トーナメント表)はこちら
取材・文/吉井信行
写真/黒崎雅久