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【ジャパンオープン2023】渡辺&東野が混合ダブルスで日本勢初の優勝!保木&小林は五輪王者に敗れ準優勝<決勝戦結果>

7月30日に開催されたBWFワールドツアー・ダイハツジャパンオープン(代々木第一体育館/Super750)最終日は、各種目決勝戦が行なわれた。日本代表は混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗が、日本勢で同種目初の優勝を飾った。同じく男子ダブルスでも初優勝をねらった保木卓朗/小林優吾は、東京五輪金メダルペアに敗れ準優勝だった。

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混合ダブルスの「ワタガシ」ペアが、新たな歴史を刻んだ。

準決勝で世界王者の鄭思維(ツェン・シーウェイ)/黄雅瓊(ファン・ヤーチョン/中国)を破り、決勝でデチャポル/サプシリー(タイ)と対戦するのは、前回大会と同じ。渡辺(上写真・右)が「歴史をつくるぞという気持ちでコートに入った。去年負けているので、再挑戦のつもりで出だしから」と話した通り、第1ゲームは序盤から主導権を握って優位に試合を進めた。しかし、後衛の渡辺が左右に揺さぶられると、前衛の東野もリズムを失い、14-8から7連続失点。逆転を許し、17-21でゲームを落とした。

第2ゲームも14-6から、16-15と追い上げられて苦しんだが、今度は終盤に4連続得点で21-16。渡辺は「しんどいがゆえにコミュニケーションを怠りたくなった時もあったと思うけど、どれだけ息が上がっていても声をかけた。常に声を掛け合うことが、体力を削ってでも大事になっていたポイント」と支え合って闘志を奮い立たせたことを明かした。

最終ゲームは、後半に運動量が落ちた相手に対し、ハイペースをキープ。19-15からのラリーでは、渡辺の跳びつきドライブから、東野がネット前プッシュを決め、2人とも渾身のガッツポーズ。最後はロングサービスを打った東野が前衛で相手の球を止め、渡辺のバックハンドショットを相手がネットにかけて勝利。会場には大歓声が沸いた。

大会開幕前日の会場練習で渡辺が左足を痛めるなど、完調といえない状況のはずだが、難しいカードを制し続けて快挙を達成。準決勝、決勝で世界トップクラスのカードを2つ制し、東野は「あの2ペアと対戦するのは楽しい。実力はまだ相手が上だけど、日本で勝ち取れたのは大きな価値、大きな一歩」と手応えを語った。

今大会日本に唯一のタイトルをもたらした渡辺(左端)/東野。昨年の決勝で敗れたデチャポル(右端)/サプシリーにリベンジを果たした

男子ダブルスの保木(上写真・右)/小林は、東京オリンピック金メダリストの王齊麟(ワン・チーリン)/李洋(リー・ヤン/台湾)と対戦。今大会で好調だったサービスまわりでの先手奪取にこだわったが、徹底的に前に出てくる相手に対し、思い切った仕掛けができず、終始リードを許す展開に。後半に一度は19オールまで追いついた保木/小林だが、そこから抜け出され第1ゲームは19-21。第2ゲームも主導権をつかめず、7オールから連続失点。先手争いで勝てず、相手の高い打点からのドライブに押し込まれて13-21と引き離された。

小林は「自分たちのプレーを出す前に、相手は(前に出て)潰してこようとしていた。2人が同時に前に出てきてプレッシャーを感じてしまい、つなぎのミスが出た」と試合を振り返った。保木は、188センチの王齊麟、178センチの李洋の長身ペアによる速いタッチに対応しきれなかったことを認めたが、今後を見据えても、サービスまわりでの勝負は不可欠である考えを明らかにし、「台湾とインドの(長身)ペアは、サービスまわりでワンテンポ速い。いかに対応していくかが課題。絶対に倒さないといけない相手なので、早く攻略できるように頑張りたい」と挑戦し続ける決意を示した。

第1ゲームはねばり強さをみせた保木/小林(右端)だが、第2ゲームは相手の勢いを止められず準優勝。試合後は長身ペアとのサービスまわりでの勝負が課題であることを話した

6日間にわたって熱戦が展開された中、日本のペア2組が最終日まで残り、世界トップクラスの戦いを見せたことは、近い将来の世界選手権やパリ五輪につながる収穫を得ただけの価値に留まらない。声援を送った多くのファン、子どもたちが、未来の日本バドミントン界を支えることにもつながり、大きな意味を持つはずだ。

30日の決勝戦の結果は以下の通り。

【男子シングルス】

ビクター・アクセルセン(デンマーク)②〔21−7、21−18〕0●ジョナタン・クリスティ(インドネシア)45分

【女子シングルス】

アン・セヨン(韓国)②〔21−15、21−11〕0●何冰嬌(中国)44分

【男子ダブルス】

王齊麟/李洋(台湾)②〔21−19、21−13〕0●保木卓朗/小林優吾42分

【女子ダブルス】

金昭英/孔熙容(韓国)②〔21−17、21−14〕0●陳清晨/賈一凡(中国)50分

【混合ダブルス】

渡辺勇大/東野有紗②〔17−21、21−16、21−15〕1●デチャポル/サプシリー(タイ)65 分

取材・文/平野貴也

写真/菅原淳

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