国内のトップ選手が集う2023日本ランキングサーキット(埼玉・サイデン化学アリーナ)。熱戦が続いた大会の最終日となる5月31日は、各種目の決勝戦が行なわれた。ここでは、男子ダブルスのダイジェストを紹介する。
【男子ダブルス】
大会最終試合となった男子ダブルス決勝は、金子真大(上写真・手前)/大田隼也(トナミ運輸)が、柴田一樹/山田尚輝(NTT東日本)にストレート勝利。トナミ運輸のペアとして、連覇を達成した。
序盤は動きのいい柴田/山田がリード。長身の柴田が豪快に打ち込む大きな展開が目立つが、速いタッチで細かいプレーもこなす。トナミ運輸が得意とする低い展開も制して得点を奪っていった。しかし、トナミ運輸ペアも食らいつく。試合開始直後はミスを重ねた高校卒新人の大田だが、大きな声を出し、思いきりよくスマッシュを打ち込み、テンションを下げないようについていく。折り返しは11-9の僅差で柴田/山田。トナミ運輸ペアは、「気持ちだよ、気持ち!」という園田コーチの声にも押され、サービスまわりから積極的に攻め続けて逆転。最後は相手のサービスを金子がプッシュ。21-19で金子/大田が第1ゲームを先取した。
第2ゲーム序盤は、柴田/山田(上写真・左)がミスを重ねてしまい、0-4とリードを許した。サービスまわりで後手に回り、ミスが出始めてしまう。対するトナミ運輸ペアは、シャトルをしっかりとらえ、チャンスを確実に決める。どちらも攻撃力に加えてレシーブ力も高く、手に汗握るラリーが続く中、トナミ運輸ペアが一度もリードを許すことなく試合を進めていった。すると、終盤も集中を切らさず、連続スマッシュを打ち込み20-14でチャンピオンシップポイント。ここでサーバーの大田が選択したのはロングサービス。サービスまわりに苦しんできた山田は一歩も動けずゲームオーバー。勝った大田は、この日一番の大声をあげた。
昨年、元日本代表の園田啓悟(現・コーチ)とのペアで優勝した金子は、高校卒ルーキーを引っ張り連覇を達成。対して柴田は、昨年に続く準優勝(パートナーは緒方友哉)。厳しい場面も笑顔でプレーし続けたが、試合後は悔しさを噛みしめていた。S/Jリーグでも鎬(しのぎ)を削る名門チーム同士。再び対戦し、高め合う機会はきっとある。
▼決勝(5月31日)
金子真大/大田隼也(トナミ運輸)②〔21-19、21-14〕0●柴田一樹/山田尚輝(NTT東日本)
取材・文/平田美穂
写真/菅原淳