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【日本ランキングサーキット】3回目の優勝をねらう五十嵐優が第1シードの田中湧士に勝利!<準々決勝ダイジェスト-4>

国内のトップ選手が集う2023日本ランキングサーキット大会(埼玉・サイデン化学アリーナ)が、5月27日に開幕。勢いある若手が多くエントリーし、日本バドミントン界の将来を占う戦いがくり広げられている。大会3日目の29日は各種目準々決勝が行なわれ、ベスト4が出そろった。ここでは男子シングルスのダイジェストを紹介する。

【男子シングルス】

安定した戦いを見せてきた第1シード、日本B代表の田中湧士(NTT東日本)を止めたのは、五十嵐優(BIPROGY/上写真)だった。スピードと安定感あるプレーを準々決勝でも披露。第1ゲームを21-14で奪った。第2ゲームは立て直した田中が序盤からリードを広げ、21-9と大差で奪い返し、ファイナルゲームへ。集中し直し、精度の高いプレーを続ける五十嵐に対し、ミスを連発した田中。五十嵐は低い展開からカットを沈めるパターンも決め、大差でマッチポイント。きっちり沈めにくる五十嵐のショットを、下からつなごうとした田中がネットにかけてゲームオーバーとなった。2016、2019年に優勝している五十嵐。3回目の優勝に向けて、静かに闘志を燃やす。

準決勝で五十嵐と対戦するのが、2021年に優勝している古賀穂(NTT東日本/上写真)。準々決勝では大学卒1年目で勢いのある小川翔悟(ジェイテクト)に押されることなく、21-17、21-14で勝利。長いラリーが続くキツい試合を、きっちり2-0で勝ちきったのは実力の表れだ。

逆の山を勝ち上がったのは、B代表の渡邉航貴(BIPROGY)。2回戦でB代表の秦野陸(トナミ運輸)を倒したチームの後輩、川本拓真(BIPROGY)を2-0で退けた。準々決勝も気合全開で攻め込む川本が、第1ゲーム序盤から大量リードを奪うも、渡邉はまったく焦らない。一気にではなく徐々に追い上げて中盤で追いつき、終盤で逆転。スマッシュを決めると軽やかにコートを駆け回る渡邉らしいプレーも出て、第1ゲームを21-18で先取した。第2ゲームもまったく同じ展開で、気づけば渡邉がマッチポイント。最後はフォア側に浅く返ってきたショットをクロススマッシュ。バランスを崩した川本は拾いきれず床に転がり、無念のストレート負けとなった。

高校卒4年目の高橋洸士(トナミ運輸/上写真)と、同2年目の武井凛生(NTT東日本)の対戦は、2-0でB代表の高橋が勝利。初戦から気合十分の高橋は、この日も序盤から声を出して集中力を高めてプレー。厳しいラリーも足を運んでシャトルに食らいつき、しっかりラケットでとらえて返していく。華麗なジャンプスマッシュは高橋も武井も見事だったが、相手を追い込んでからの決定力、厳しい体勢からのショットといった部分で、高橋がやや上回った印象。

第2ゲーム終盤、武井が治療を要求してゲームが中断した場面では、「気持ちをつくって」「集中して」という舛田圭太監督の声に、しっかりうなずいて集中を切らさなかった高橋。最後は連続スマッシュを打ち込んで浅くなったところを、ジャンプして押し込んでゲームオーバー。絶叫とガッツポーズで喜びを爆発させた。社会人初タイトルに向けて、準決勝も気合と集中力で臨む。

▼準々決勝(5月29日)

五十嵐優(BIPROGY)②〔21-14、9-21、21-12〕1●田中湧士(NTT東日本)

古賀穂(NTT東日本)②〔21-17、21-14〕0●小川翔悟(ジェイテクト)

渡邉航貴(BIPROGY)②〔21-18、21-16〕0●川本拓真(BIPROGY)

高橋洸士(トナミ運輸)②〔21-14、21-15〕0●武井凛生(NTT東日本)

▼準決勝(5月30日)

五十嵐優(BIPROGY) − 古賀穂(NTT東日本)

渡邉航貴(BIPROGY) − 高橋洸士(トナミ運輸)

取材・文/平田美穂

写真/菅原淳

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